相次ぎ開設、都内「高速バスターミナル」最前線 バスタ新宿に東京駅、今後も整備計画がある
まず、直近では羽田空港国際線ターミナル近くに新たな高速バスターミナルが開業する。これは住友不動産が国際線ターミナル隣地で行っている開発プロジェクト「羽田エアポートガーデン」の施設の1つで、2019年12月10日に発表された。乗車・降車合わせて計15カ所の乗降場を設け、1日約900便が発着する予定だ。
現状でも羽田空港から短・中距離の空港連絡バスは数多く運行されているが、インバウンド需要の伸張で羽田発着、あるいは羽田を経由する中長距離バスに対するニーズも出てきている。
さらに今年は東京オリンピック・パラリンピックが開催され、羽田空港も3月から国際線を増便する。これらの理由により、訪日客を中心とした羽田発の中・長距離高速バスの需要増加が見込まれる。新しい高速バスターミナルはそうした需要を取り込むとみられる。
東京駅周辺でも大規模整備
また、東京駅周辺では3カ所の再開発計画で、合わせて1万5000平方メートルにも及ぶ大規模な高速バスターミナルを整備することが計画されている。
2021年から2024年にかけ、東京駅八重洲口に順次開業する3つの再開発ビルの地下にそれぞれ1つずつターミナルを設ける。待合ラウンジやパウダールームなども整備し、さらに地下空間を通じて相互の高速バスターミナルおよび東京駅と濡れずに簡単にアクセスできるようにする。
乗降場は合計20カ所と、バスタ新宿に匹敵する乗降場数となる。具体的な発着便数は不明だが、東京駅からやや離れた場所にある丸の内鍛冶橋駐車場発着の高速バスはこちらに移行することが予想され、利便性は向上しそうだ。東京駅周辺のほかのバス乗り場もこちらへ移転してまとまることがあれば、不慣れな旅行者が迷うことも減るだろう。
全国各地からのバスが発着する都内の高速バスターミナルは、単に多くの本数をさばいているだけではなく旅情にもあふれている。夜の高速バスターミナル待合室で、床に座り込む人やベンチに座ってバスを待つ光景を見ていると、かつて上野発の夜行列車に乗る人々はこんな感じで待っていたのだろうかと思う。
高速バスを利用する際は、少し早めにターミナルに行って、知らない街へと向かうバスの出発を眺めてみるのもいいだろう。意外に知らないバスターミナルの姿や魅力が見えてくるに違いない。
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