「らぁ麺 飯田商店」が大成功した味を変えた訳

かつては否定していた支店展開にも乗り出した

「TRYラーメン大賞」で3連覇している神奈川の「らぁ麺 飯田商店」。「飯田商店」が昨年2つの大きな方向転換に踏み切ったが、その意味とは何か(写真:筆者撮影)

首都圏には「食べログ」に登録されているだけでも1万4102軒のラーメン店がある(2020年1月23日現在)。日本そば店は9126軒(同)。ラーメン店がいかに多く、競争が激しいかがわかるだろう。

この連載の一覧はこちら

その味の基準は人によってさまざまだろうが、「ミシュランガイド」掲載店や、「食べログ」の上位から選ばれる「百名店」に選ばれるようなお店は超一流の名店と言ってもいい。その1つに数えられるのが雑誌『TRYラーメン大賞』(講談社刊)で近年、3連覇している「らぁ麺 飯田商店」だ。神奈川県南西部にある湯河原温泉にある人気店である。

オープンは2010年。「食べログ」では3.97点という高得点で全国7位、日本全国のラーメン情報をレビューやランキングで紹介している「ラーメンデータベース」では99.600点で全国3位(いずれも2020年1月11日現在)となっている。早朝から行列ができ、朝7時から整理券を配るほどの人気で、およそ130枚の整理券はあっという間になくなる。

鶏清湯から鶏と豚のバランス系へ

その「飯田商店」が、昨年、2つの大きな方向転換に踏み切った。

1つはオープン以来守ってきたラーメンの味を大きく変えるメニューの刷新。もう1つは、店舗戦略の変更だ。従来は支店を出さない方針だったが、静岡県沼津市の「ららぽーと沼津」のフードコート「NUMAZU GRAND DINING」内に初の支店を出したのである。創業以来守ってきたメニューと経営方針を大転換した意味とは何か。

「飯田商店」店主の飯田将太さんは湯河原の隣町、真鶴出身。25歳の頃まで和食の料理人を志していたが、実家が経営する水産加工会社が倒産しかけたことで湯河原に戻らざるをえなくなる。その時に叔父がFC(フランチャイズ)展開するラーメン店で働かせてもらったのがラーメン作りのきっかけとなった。その後、水産加工会社の跡地を改装して2010年に「飯田商店」をオープンさせた。

(左)本店は早朝から行列ができ、130枚の整理券はあっという間になくなる(右)店主の飯田さん(写真:筆者撮影)

これまでの「飯田商店」のラーメンは鶏清湯。スープは鶏100%で、そこに数種の生揚げしょうゆを合わせたしょうゆダレを加え、鶏油を合わせて完成させる。「ミシュランガイド」の東京版でも鶏清湯ラーメンのお店が複数掲載されるようになったが、「飯田商店」はブームの火付け役と言っていい。

ところが昨年5月、「飯田商店」は突如3週間の休業を発表。大きく味を変えた新作のラーメンをひっさげて6月に再開した。新しいラーメンは鶏と豚のバランス系のスープで、むしろ豚をメインにしたラーメンだ。豚を本格的に使うのは初めてのことで、試作は難航したという。

次ページ鶏清湯はブームがヒートアップしすぎていた
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
  • 最新の週刊東洋経済
  • 岡本幸一郎の自動車情報発信局
  • 自衛隊員も学ぶ!メンタルチューニング
  • コロナウイルスの恐怖
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
新型肺炎の「致死率」<br>武漢だけ突出する理由

新型肺炎による死亡者は、湖北省、とくに武漢に集中しており、致死率は他の省を圧倒しています。この理由と背景は? 本誌デジタル版では、現地から果敢な報道を続ける中国「財新」特約の連載「疫病都市」を配信しています。