中国ネット検索の百度、銀行免許を申請へ ロビン・リーCEO、全人代の会場で表明
[北京 7日 ロイター] -中国のインターネット検索最大手の百度(バイドゥ)
従来のマネー・マーケット・ファンド(MMF)のオンライン販売だけでなく、当局から認可を受けた金融機関への飛躍を目指す考えだ。
百度のロビン・リー最高経営責任者(CEO)が、全国人民代表大会(全人代)の会場で記者団に語った。
リー氏は「インターネットが制覇する事業領域には当然、金融も含まれる。百度は現在、決済業務を含む複数の銀行免許を申請中だ。ただ申請中なので、多くを公表すると不都合がある」と語った。
百度以外にもネット大手の騰訊控股(テンセント・ホールディングス)<0700.HK>や電子商取大手アリババ・グループ・ホールディング
政府の規制によって商業銀行は個人に対しにわずかな預金金利しか提供できず、大半の貯蓄商品は物価上昇率にかろうじて見合うほどの利回りしかない。政府の金利自由化と高利回りのオンライン貯蓄商品の販売によって、この状況に変化が起きつつある。
リー氏は「百度は現在、金融商品の販売をしているが、これは今利用できる金融商品を顧客へ提供するのに便利な方法だ」と話した。
上海証券報によると、アリババが発売した高利回りのMMF「余額宝」は、この8カ月未満で運用資産額が4000億元(653億8000万ドル)に達した。
百度とテンセントもこれに追随し、中国の既存の銀行の怒りを買った。銀行業界は現在、ノンバンクが提供するオンラインファンドの伸びを抑えるよう規制当局に働き掛けている。
中央電視台(CCTV)は、中国の銀行の命を吸い取ることになぞらえて余額宝を「吸血鬼」と表現した。
金融機関ではないインターネット企業が提供するオンライン商品は、アリババが51%の株式取得を申し入れた資産運用会社の天弘基金などとの提携を通じて販売が行われている。
国営新華社通信が匿名の銀行関係者の話として伝えたところによると、国有銀行のうち大手3行はその後、コストの上昇を理由に天弘基金との取引を中止した。
天弘基金の広報担当者は新華社に対し、中国の170以上の銀行と接触があり、取引停止の影響は受けていないと語った。
5日の全人代の冒頭演説で李克強首相は「インターネットバンキングの健全な発展を促すとともに、関係機関と協調して金融業界の監督制度の向上に努め、国境を超えた資金流入を監視する。これによりシステミックリスクや地方の金融リスクが発生するのを防止する」と発言。政府はオンライン金融を支援するものの、業界に対する厳重な監視が必要だとの考えを強調した。
3日の新華社によると、百度のリー氏は、自分たちが金融の専門家でないことから当局による規制拡大が必要だとし、監視の目が及ばなければリスクが生まれるとの考えを明らかにしている。
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