キャリアを築く出発点は、当たり前に聞こえるかもしれないが、まずは自分を知ることだ。周囲がよかれという青い鳥を自分も探し続けるのではなく、自分の価値観の源泉、これまで経験の本質、コンプレックス、もっと言うと人生そのものを振り返りながら、自分ならではの源泉や持ち味を探すことからだと言ってもいい。
生き方や価値観は多様の一途だ。だからこそ、仕事を通して自分が最も実現したいことは何か、最も大切にする行動やモチベーションの源泉は何かと振り返ってみることで、自分の本質が見えてくる。人は自らが望み、夢中になれる仕事のほうが大きな価値を発揮できるものだ。
とはいえ、自身が自らを理解することは容易ではないのは当然のこと。そうした志向に気づくヒントとしては、まずは少しずつでも幅広い経験をすること。閉じこもっていても選択肢は見えない。第三者も交えて質問を繰り返すことも有効だ。「時間を忘れて取り組めることは何か」「お金をもらわずともやりたいと思えるほど楽しかった仕事は何か」などの質問で振り返ってみるといいだろう。
「ジョハリの窓」とは?
また、TURNING POINTのサービス内でも提供しているが、最近は科学的なアセスメントにAIなどを活用して自身を知る機会も増えてきた。実は、普段発揮している特性や強みは今の環境に「適応」するために身に付けたもので、本質的に自身が有している「特性」とは異なるケースも多い。
後天的にやむなく身に付いていくうちに、それが当たり前に思えてきているということだ。「ジョハリの窓」という言葉があるが、自身の知らない潜在的な自分を第三者からの質問や、アセスメントを用いて、自身も知らない潜在的な特性を科学的・客観的に把握しておくと働くうえでは非常に役に立つ。
3つ目のCは、Concept(コンセプト)を多様な未来視点で(Coaching)描くこと。人生を通して自分が実現したいことや、どんな人でありたいか(なりたいか)など、あなたが目指す最終的なゴール・目標を立てて思い描くことだ。
なぜコンセプトが重要かと言えば、キャリアの行先は誰も示してくれないし、示してくれたとしても、誰もあなたの人生に責任はとってくれないからだ。
コンセプトを決めるときは、目先のキャリアや給与、タスク内容といった枠組みで考えると視野が狭くなり、自らの心を奮い立たせるような目標にはなりにくい。そもそもの生き方など、自分の人生を通しての目標として定めると、動機として明確になる。
また、未来軸でのありたい姿を考えるにあたっては、業界や会社といったセグメントで考えるよりも、社会に対してどんな価値を発揮すべきかという「ソーシャルバリュー」を意識することも非常に重要だ。
そもそも、○○業界のような定義は、例えばグーグルが何業と呼ぶべきかわからないように、すでに曖昧になり始めている。広く社会に対して価値を見いだすことを意識すると、ささいな変化に一喜一憂するのではなく、大局を捉えた本質的な決断がしやすい。もはや看板で働く時代は終焉を迎えているだろう。
これを、自分1人で明確にするのは容易ではなく、他者、とくに自分とは異なる視点を持つ他者との対話(Coaching)によって、未来軸で具体化することが有効だ。
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