今後の日経平均株価に「強気予想」をする理由 世界の先進国は次第に「日本化」している

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MMTとはご存知の通り、Modern Monetary Theoryの略称。直訳すれば「現代貨幣理論」であり、「新表券主義」などとも呼ばれている。要は「独自の通貨を持つ国は、自国通貨を限度なく発行することが出来るので、デフォルト(債務不履行)に陥ることはない。従って、政府債務残高がいくら増加しても問題はない」という考えだ。

さらに言えば、「政府は貨幣を創造できるのだから、そもそも借入などする必要がない。従って、国債発行は借入とはみなさない」などという議論も出てくる。本当にそうなら、2019年度末で897兆円となる見通しの日本国債発行残高も「何の問題もない」ということになる。しかし、昨年シカゴ大学が40人の経済学者にアンケートを取ったところ、賛同者はゼロだったことでもわかるように、エコノミストにとっては極めて「危険な理論」でもある。

日本を「手本」に、世界でも「MMT化」が進む?

ただし、以下の話はどうだろうか。もちろんいろいろな見方はあるが、先進国では債務残高がGDP比で突出しているのにもかかわらず、安定している世界唯一の国が日本である。一方で、債務比率で言えば、日本よりも健全なギリシャやイタリアなどがデフォルトリスクを問われるのは、両国はユーロを勝手に発行できないからに過ぎないとも言えるだろう。

今や、ネガティブな表現で「日本化」が世界に浸透しているとも言われている。「低インフレ」「低金利」「低成長」のことだが、まさに日本が対GDP比で高い債務残高であっても安定しているのはこのMMTが陰で支えているからではないか。結局、世界のエコノミストも、否定しながらも自国のMMT化に対して強く反対できないのは日本の存在があるからだと思う。

もちろん、政府債務の過剰な増加は、どこかの時点でインフレをひき起こす可能性があり、MMTは危険な理論かもしれない。

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