有名人の「第二の人生」その知られざる"幸福度" ジャンルや土地を変え奮闘する彼らのホンネ

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また、地方で生き残った芸人にはほかにクマムシもいる。歌わないほう(佐藤大樹)が富山出身だったことから、北陸エリアで今も健在。富山テレビの『フルサタ!』では『クマップ(KMAP)』という企画を担当している。「クマムシが県民も知らない富山を見つける旅」というのがコンセプトだ。

ちなみに、彼らのコンビ名は実在の虫に由来する。発案者の佐藤はかつて、雑誌の取材でこんなことを言っていた。

《火山の火口とか南極とか、住みづらいところでも生きていけるような、とても生命力旺盛な虫なんです。(略)そんな虫のように、この芸能界で生き残ろうぜ!という僕たちの思いを込めてつけました》

とはいえ、トップレベルの芸能界で吹く風は彼らにとってちょっと冷たかったのかもしれない。歌うほう(長谷川俊輔)にとっては地元でもなんでもないが、田舎の空気のほうが「あったかいんだからぁ」ということだろう。

毎日「のん」を拝める岩手県

さて、地方のほうが生きやすいのは芸人だけではない。アイドルや役者などもまたしかり、だ。

例えば、筆者の住む岩手では、いつでもどこでも、のん(旧名・能年玲奈)を見ることができる。

独立をめぐって前の所属事務所とモメ、全国区では干されたものの、ローカルでの仕事なら大丈夫なのだ。のんとして再出発するにあたり、彼女は県知事を表敬訪問。ヒロインを務めた朝ドラ『あまちゃん』ゆかりの岩手で、窮地をしのごうとした。

その結果、地元の銀行やJAのマスコットガールに起用され、田植えなどのイベントにもしょっちゅう呼ばれている。テレビのCMや街角のポスターで、会えない日はなく、なかでも耳について離れないのが『この街は』(作詞作曲・のん)というCMソングだ。

当初はお世辞にもうまいとはいえない鼻歌バージョンだったが、岩手への応援ソングでもあり、地元での評判は上々。岩手には震災後に地元を盛り上げてくれた彼女に対し、親しみを抱いている人が多いのである。

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