Nゲージより安い、「電車チョコ収集」の甘い誘惑 細かいこだわりがコレクター気質をくすぐる

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――いちばん最初に作った車両は何ですか?

「西日本の車両5両です。見た目がカラフルなものを選びました。そのうちお客さまから車両のリクエストなど要望があり、どんどん広がりました。現在、JR電車チョコは40種類、JR特急チョコは31種類。実際はこれ以上作っていますが、古い車両などは入れ替えていきます。ブルートレインは今はもう販売していないものもあります」

初期に制作した車両(筆者撮影)

――JRの許可はすぐ取れたのですか?

「商標権があると知って、すぐにJRに許可申請をしに行ったら、JR側も面白い、とのってくれました。それでまずは西日本の車両から始めて、東海、東日本、九州と広げていきました。許可はうんと早くて2週間、たいていは3週間。昔は車両のデザイン自体もシンプルだったため、もっと許可が早かったです。中には3カ月かかったものもありました」

許可取りが1社のみならまだいいが、車両の運用がいくつか会社をまたがっている場合はさらに大変。坂本さんが企画書を書いて、1つずつ提出していたそう。

「今まで通らなかったことはないですが、何回も作り直しをしたことは多々あります。はやぶさはグラデーションの色味を何度もやり直しました。新しい車両になるほど、許可に時間がかかっていますね。印刷は3~4回はやり直しています」

デザインは自分たちで

――車両のデザインは、自社でされているのですか?

「車両デザインはいただけるわけではないので、自分たちでイチから作ります。電車チョコにする車両のほとんどは、デザイナーさんと実際に乗りに行って、写真を撮ってきます。私が乗り鉄なんですわ(笑)。

サンライズなどは、大阪から一度東京に行って、出雲まで乗車しました。できればちゃんと出発地から終点まで乗りたいですねえ。

中にはお客さまで、パンタグラフの位置まで細かく指摘される方もいます。しかし電車の上部はなかなか写真が撮れないから、本など資料を買い集め、探します」

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