Nゲージより安い、「電車チョコ収集」の甘い誘惑 細かいこだわりがコレクター気質をくすぐる

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電車チョコは基本、形が四角い。変化がほしいということで、特急、新幹線など特急チョコシリーズを作り、車両の型紙も新しく作った。

「特急車両で1番最初に作ったのは、こだまです。その後、鉄道ファンの方からドクターイエローを作ってほしい、とリクエストが来たり。基本、お子様に喜んでもらいたいと思って作っていますが、マニアの方からの反応のほうが大きいですね。

電車の行き先表示が間違っている、という電話が来ることもありました。当時はその行き先だったのが、現在は延伸していたりするんですよね。病院の待合室に置いておくと、子どもたちが静かに遊んでくれる、といううれしいご感想もいただきます」

――最近の車両はデザインが複雑になってきていますよね。どう対応されていますか?

「現在、4~5種の型に当てはめ、すべてをまかなっていますが、型紙をこれ以上変えることはできません。その辺は何度も話し合って了解を得ています」

そこはやはり今までの実績がものを言う。電車チョコ全体の生産量としては、年間220万個ほど。それに対して各社にロイヤリティーを支払っている。

最も売れている車両は?

――JRのみで私鉄がないのはなぜですか?

「私鉄でやりたいというお話もいただくのですが、食品ということで扱いが難しいようです。あとはロット数が見合わないこともあります」

プリントされた車両たち。これを型抜きし、組み立てる(筆者撮影)

――最も売れている車両はなんでしょう?

「いちばん売れている種類というのはないです。印刷する際に作る数がすでに決まっているので」

ここで組み立てる前の、印刷した箱の紙を見せていただいた。デザインや色味などの指定は、デザイナーさんと黒谷商店が行っているが、印刷は別の印刷会社が担当している。

「車両10種類で1つの版、1枚の紙に印刷しております。つまり車両を1種類変えようとすると、版を丸ごと変えないとならないんですわ。なので、1箱が10種類となっています」

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