「艦これ」が火付け役!タブレット市場に異変 世界シェア2%のウィンドウズタブが日本で台頭

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レノボ・ジャパンの櫛田弘之・コンシューマ事業部製品統括兼ノートブック製品担当部長は、「四半期の販売目標と比べて3~4倍もの売れ行きだ」と驚きを隠さない。供給がまったく追いつかず、一時は「目標を上回る販売のため、出荷が遅れております」という主旨のお詫び文書をホームページ上に掲載した。

米国、中国市場向けに販売予定だった同製品も、わざわざ日本市場に流す異例のオペレーションをとったが、それでも品薄状態が解消されていない。同時期にでた10インチサイズのウィンドウズタブレットは、ほぼ会社の当初計画通りの売れ行き。Miix2 8のヒットは、まさに艦これブームの賜物なのだ。

この状況について、櫛田部長は「(ゲームユーザーから)評価されたのは素直にうれしい」としながらも、こんな“悩ましい”エピソードを打ち明ける。「ワールドワイドの会議などで、よく『なんで日本だけこんなに(ウィンドウズのタブレットが)よく売れているのか』と質問をされるが、艦これのことを外国人社員に英語でどう上手く伝えたらいいのか分からず苦労しています」。

日本発の逆襲となるか

マイクロソフト自社製タブレットの「サーフェス」(撮影:今井康一)

この勢いはどこまで続くか。「ヒットコンテンツに引っ張られた一時のブームにすぎない」と、この状況を冷静に見る業界関係者もいる。ただ一方で、ウィンドウズタブレットの潜在力はまだまだ大きいと見る声もある。

富士通の携帯端末責任者はこう期待を込める。「特に法人向けを中心に、日本の客はウィンドウズへの選好が比較的強い。アンドロイドのタブレットに比べて情報漏えいなどのセキュリティ面や、既存システムとの接続面でのメリットが大きいと見られている」。

タブレット用OSでは、アンドロイドの後塵を拝すると言われて久しいウィンドウズ。艦これブームで火が付いた日本で、巻き返しの軌道に乗るのか。それとも一過性の活況で終わるのか。独自の道を行く日本市場の行方に世界が注目している。

西澤 佑介 東洋経済 記者

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にしざわ ゆうすけ / Yusuke Nishizawa

1981年生まれ。2006年大阪大学大学院経済学研究科卒、東洋経済新報社入社。自動車、電機、商社、不動産などの業界担当記者、19年10月『会社四季報 業界地図』編集長、22年10月より『週刊東洋経済』副編集長

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