英語で「please」を多発する人に欠けている視点 実は相手を不快にさせることも

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「こんなとき、なんて言えば……」と言葉に詰まることなど、日常茶飯事。気にすることはありません。ネイティブは非ネイティブに対し、英語ができないからと排除するようなことはしません。ただ、残念な英語を使っていることで、印象を悪くしているのは事実です。

私は窮地に立たされるたびに、私と同じ、英語の「非ネイティブ」が目に留まりました。彼らは、私と同じく「英語が母国語ではない」にもかかわらず、グローバル社会で成果を出して、評価されて昇進していったのです。

例えば、「非ネイティブ」は「絶対に企画を通したい」とき、成功に向かって突き進む印象の「launch」を使います。何かをするときには「do」ではなく、最後までやり抜く印象の「execute」を使います。また、グローバル社会では、日本のように断る前提の案件に「検討します」とは言いません。「I can’t accept your proposal」(あなたの提案を受け入れることができません)とはっきり断ります。

非ネイティブが探り当てた英語のマナー

私は、周りを見渡せば見渡すほど、数多くの「非ネイティブ」が試行錯誤しながら、英語の世界で通用する方法を探していることに気がつきました。

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要所要所で相手が自分のことを応援したくなるようなフレーズを使っていたり、トラブルに見舞われそうなときに回避できるフレーズを使っていたり、「非ネイティブが実践しているテクニック」には目を見張るものがあったのです。

多くの「非ネイティブ」の先人たちは、グローバル社会に飛び込み、トライ&エラーで生きぬく術を見つけてきました。グローバル企業で、「非ネイティブ」が生き続けるために探り当てた、「英語のマナー」があるのです。

それはネイティブが使えば、時にあざとい「英語」だったりします。でも、ネイティブにはやりすぎな表現でも「非ネイティブ」が生きぬくためにはちょうどいい「英語」も存在するのです。

岡田 兵吾 Microsoft Singaporeアジア太平洋地区ラインセンスコンプライアンス本部長

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おかだ ひょうご / Hyogo Okada

同志社大学工学部卒業後、アクセンチュア、デロイトコンサルティング、マイクロソフトのグローバル企業3社にて、シンガポール、アメリカ、日本の3カ国を拠点に24年間勤務。シンガポール移住16年目。現職マイクロソフトでは、日本・韓国・オーストラリア・ニュージーランドの4カ国のライセンス監査業務の責任者を務める。日々10カ国以上の全世界の外国人と仕事をこなす。加えて、アジア域内の働き方改革をリーダーとして実現し数々の社内アワードを受賞。世界トップレベルの IEビジネススクール・エグゼクティブMBA取得。同校のアルムナイ・シンガポール支部初代会長。https://twitter.com/phoenix_hugo

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