「インスタグラムで買い物」は日本で定着するか アプリ上でショッピング機能を続々強化
――今年はさまざまな実験的な機能も増えました。
商品をローンチ(発売)するときに活用できる新たな機能を用意した。限定商品や在庫の少ない新商品を販売する際、著名人を起用した写真や動画を投稿し、ユーザーはそこに表示される「リマインダーを設定する」ボタンを押す。その後、事前に個人情報を入力しておくように知らせ、発売の15分前になるとまもなく販売開始というプッシュ通知が送られる。
インスタグラムで商品を発表したいというブランドは以前からあった。ただそれをするのにもブランドのウェブサイトや別の場所に遷移しなければならない。すでに起こっていたことを、われわれが構造化したということだ。
AR(拡張現実)を活用した機能もある。カメラのエフェクトなどに使われている親会社フェイスブックのARプラットフォームを活用し、バーチャル試着を試験的に展開している。化粧品やメガネ、サングラスといった特定のカテゴリー向けだ。現実に試着が難しいことが多いうえ、実店舗が近くても在庫がなかったりする。ビューティー分野においては大きな商機となるだろう。
アプリ内購入は日本にも拡大へ
――一連の機能はまだアメリカ国内のみでの展開です。国外にどのように広げていきますか。
機能によって異なるが、テストを行い、よいプロダクトになったと判断すれば、より広く素早く展開していく。特にチェックアウトは決済や物流など、新たな市場ではインフラ面の整備が必要になる。すべての機能はゆくゆくは日本でも展開する予定だが、時期は明言できない。ただ日本は重要な市場であり、リストの上位にいる。
――中小のD2C(Direct to Consumer)ブランドが広がる中で、ウェブサイトや決済システムの構築を支援するサービスも増えています。インスタグラムとしては、そうしたサービスとどう差別化しますか。
インスタグラムにはすでに多くのユーザーが新しいものを発見しに来ている。日本では3300万人が使っている。競争力のあるコンテンツを作れば、ユーザーがそれを見つけてくれる。インスタグラムを含むフェイスブックサービス全体で、1億4000万のビジネスアカウントが活動している。
われわれはスモールビジネスの経営を支援するツールに取って代わろうとはしていない。そもそもインスタグラムを使っているスモールビジネスの約半数はウェブサイトすら持っていない。ここでコミュニティを作り、メッセージやコメント、取引を通して深くユーザーとかかわれる。
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