誰もがハマる「YouTube」は、本当に安全な場所か

本社のナンバー2が語る成長と責任(前編)

YouTubeのアメリカ本社ナンバー2、最高製品責任者(CPO)のニール・モーハン氏が単独インタビューに応じた(撮影:梅谷秀司)
今や世界で約20億人の月間アクティブユーザーを抱えるアメリカ・グーグル傘下の動画投稿プラットフォーム「YouTube(ユーチューブ)」。2005年に設立され、翌2006年にグーグルに買収された。若い世代を中心に、テレビに取って代わるほどの巨大サービスとなった。
毎分500時間の動画が投稿される中、近年は過激なコンテンツや不正確な情報の拡散など、悪質な投稿動画で物議を醸すことも増えている。「ユーチューバー」ともいわれる、動画を投稿し広告収入で稼ぐクリエーターも増える一方、ガイドラインの運用をめぐる批判も絶えない。
グーグルはユーチューブ単独の収益を開示していないが、最も成長率の高いビジネスの1つとされている。急成長とプラットフォームとしての責任をどう両立するのか。ユーチューブのアメリカ本社ナンバー2である、最高製品責任者(Chief Product Officer、CPO)のニール・モーハン氏に話を聞いた。

ガイドラインの見直しは1年半で30回

――誰でも気軽にさまざまな動画を投稿できるプラットフォームである一方で、銃乱射事件の現場や富士樹海の自殺者の映像など、倫理的に問題のある動画の投稿を防げなかったとして、批判の対象になることも増えています。

ユーチューブは設立以降、つねに世界中のすべての人が声を届けられるようにするということを理念としてきた。私たちは開かれたプラットフォームの力を信じている。2007年にはアジアで最初に日本でサービスを開始した。今では日本で6200万人が視聴しており、18~64歳のインターネットユーザーの8割を占める。

ビジネスとして成功するクリエーター、視聴者の数も急増した。現在は10万人以上のチャンネル登録者を抱える日本のクリエーターが2300人にまで増えた。

同時に、コミュニティガイドラインも整備してきた。CEO(最高経営責任者)にとっても、CPOである私にとっても、責任あるグローバルプラットフォームにすることが最優先事項だ。ガイドラインの整備はたくさんの手順を経る。

ガイドラインがその時々の情勢に合ったものか、どんなコンテンツを受け入れるのか、あるいは受け入れないのかといった判断が必要だ。議論の対象になるのは、例えば暴力的な過激主義、生々しい暴力、嫌がらせ、危険ないたずら、ヘイトスピーチ、子どもの安全を脅かすものといったことだ。ガイドラインの見直しは直近1年半で30回行われた。

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