誰もがハマる「YouTube」は、本当に安全な場所か 本社のナンバー2が語る成長と責任(前編)

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――ということは、信頼できる情報源の動画は逆におすすめする回数を増やす?

そういうことだ。ニュースや医療、科学などの正確な情報を探しているユーザーに対しては、信頼できる“声”を増やそうというコンセプトを持っている。

「ニュース速報(Breaking News)」の枠では、第三者機関が信頼できると判断したメディアの動画を表示する(画像:YouTube)

大きなニュースが発生した際には、ユーチューブのホーム画面にニュース速報動画の枠が表れる。特定の単語を検索した場合には、検索画面の上部に関連するニュース動画がいくつか表示される。ここに表示される動画はすべて、NHKやニューヨーク・タイムズなど、第三者機関によって信頼が置けると判断されたチャンネルのものだ。

ユーチューブの責任を表す「4つのR」

ユーチューブが責任あるプラットフォームであり続けるために、「4つのR」という方針がある。これまで述べてきたように、1つ目が「削除する(Remove)」こと、2つ目が信頼できる情報を「引き上げる(Raise)」こと、3つ目がボーダーラインのコンテンツの視聴機会を「減らす(Reduce)」ことがある。

さらに4つ目として挙げているのが、われわれのエコシステムに価値を提供してくれているクリエーターに「報いる(Reward)」ことだ。1年半前、パートナープログラムと呼ばれる、クリエーターが広告収入を稼ぐことのできる仕組みを大きく変更し、入り口を高くした。より大きな価値を出しているクリエーターに経済的な支援を傾けたかったからだ。

編集部注:パートナープログラムへの参加条件について、従来はチャンネルの動画の合計視聴回数が1万回以上だったが、2018年2月以降は過去12カ月間の総再生時間が4000時間以上、チャンネル登録者数が1000人以上、に変更された。)

中川 雅博 東洋経済 記者

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なかがわ まさひろ / Masahiro Nakagawa

神奈川県生まれ。東京外国語大学外国語学部英語専攻卒。在学中にアメリカ・カリフォルニア大学サンディエゴ校に留学。2012年、東洋経済新報社入社。担当領域はIT・ネット、広告、スタートアップ。グーグルやアマゾン、マイクロソフトなど海外企業も取材。これまでの担当業界は航空、自動車、ロボット、工作機械など。長めの休暇が取れるたびに、友人が住む海外の国を旅するのが趣味。宇多田ヒカルの音楽をこよなく愛する。

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