NHK、「常時同時配信」実現への遠い道のり 高市大臣の「ちゃぶ台返し」に噴出する批判

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有識者会議のメンバーである東京大学の宍戸常寿教授は東洋経済の取材に対し、「本来はNHKのあり方や存在意義などを議論する必要があったが、NHK側から具体的な材料が提供されなかったこともあり、肥大化の問題に終始してしまった」と話す。

そのうえで、宍戸教授は「今後はNHK自らが存在意義やあるべき姿に関するロードマップを提示することが重要だ」と指摘する。

「パソコンを持っていない」新会長

NHK経営委員会は常時同時配信の実現に尽力した上田良一・現会長に代わって、新会長に元みずほフィナンシャルグループ会長の前田晃伸氏を選任した。前田次期会長はこれからも常時同時配信に関わる難題に対処していかなければいけない。

しかし、就任が決まった際の記者会見で前田氏は「実はインターネットやパソコンを持っていない。古い人間で常時配信がどんなものかもわかっていない。1月までにもうちょっと勉強させてほしい」と発言し、周囲を驚かせた。

前田新会長の下、NHKの常時同時配信はどうなるのか。総務省にとっても、NHKにとっても、気が抜けない日々が続きそうだ。

井上 昌也 東洋経済 記者

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いのうえ まさや / Masaya Inoue

慶應義塾大学法学部政治学科卒業、同大メディア・コミュニケーション研究所修了。2019年東洋経済新報社に入社。現在はテレビ業界や動画配信、エンタメなどを担当。趣味は演劇鑑賞、スポーツ観戦。

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