美食の都パリで日本食が更に人気になる仕掛け 料理の本場で農林水産省が仕掛けたイベント

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まず、竹中徹男氏(京料理 清和荘 三代目主人)が「和牛の塩糀焼」をふるまった。

料理の説明をする竹中氏(筆者撮影)

「子供の頃に同級生に作った料理が『美味しい』と言われた時に喜びを覚え、料理の道に進みました」と話す竹中氏。店を構える京都では、日本の食材のうま味を引き出す料理を提供している。

竹中氏はフレンチについて、「もともと素材にクリームやバターを組み合わせた、宮廷の料理やオーソドックスなテリーヌがベースになっていました」と話す。そして最近では、「パリで日本人シェフたちが昆布だしや野菜だしを使うことで『日本料理が素晴らしい』と評価されるようになってきた」ことが大きいと感じているという。

竹中氏がふるまった「和牛の塩糀焼」(筆者撮影)

そこで竹中氏は、「パリで手に入る日本食材のうま味を使って、カロリーが低く美味しいと感じていただける和牛」の料理を披露した。「日本料理に理解を示し、興味を持っていただいた」ことが分かり、より一層調理と説明に熱が入ったそうだ。

デモンストレーションでは、12時間冷蔵庫で液体塩糀につけて肉を柔らかくしてから250°Cのオーブンで焼き、完成するまでの工程を丁寧に説明していた。

日本料理のシンプルなうま味と美しさを追求

次に手島竜司氏(Restaurant PAGESオーナー)だ。料理は「和牛のしいたけのバロティーヌ/発酵牛乳/じゃばら酢のジュレ」だった。

手島氏はパリでの人気日本人シェフになっている(筆者撮影)

パリに渡って16年。手島氏は、日本でコックコートを着たシェフのかっこいい姿に憧れて、料理人となったという。

「フレンチを本格的に学びたいと思い、パリに渡りました」と、手島氏は当時を振り返る。フランス語を話せるまでにかなり苦労したとのことだが、「料理が好き、料理を作りたいという一途な思い」が支えとなり、辛い修業時代を乗り越えることができた。そして、現在、パリの人気店でオーナー兼シェフとして活躍している。

手島氏がふるまった「和牛のしいたけのバロティーヌ/発酵牛乳/じゃばら酢のジュレ」(筆者撮影)

手島氏は「己と向き合い、日本とフランスの発酵文化を合わせて、日本料理のシンプルなうま味と美しさを追求しました」と話す。今回の和牛の料理は、微塵切りにして焼いた椎茸と和牛をスティックにしてからゼリーをのせ、発酵したクリームソースに付けて食べるという、日本料理ならではの繊細な美しさを表現した。

3人目は石原三記子氏(Crowne Plaza Paris パティスリー責任者) だ。料理は「豆乳のパンナコッタ」だった。

石原氏がデザートを作り上げた(筆者撮影)

「パリで長年に渡り、焼き菓子や生菓子など全てに愛情を込めて作り続けています」と、石原氏は穏やかな表情で話す。

石原氏は、「日本の豆乳はフランスのものより癖がなくて使いやすいです。酸味があるフルーツに抹茶を加え、柔らかいけど歯ごたえあるものを作りました」と話し、豆乳と米粉をベースにしたソース上に、オレンジとグレープフルーツとケーキをのせた色鮮やかなデザートを作り上げた。

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