サッポロビール「シェアは目標にしていない」

業界4位でも4年連続でビール売り上げ増

――アサヒビールはこのほど、今後国内ビール販売数量を開示しないことを決めました。「シェア争いを終わらせるため」と主張していますが、これによって各社の戦略は変わるのでしょうか。

私たちもシェアを直接の目標にはしていない。ただ、市場シェアは消費者から支持をどれだけ得ているかを測る大事な指標の1つだ。目的にはしていないが、常々チェックしていた。

2020年10月には酒税税率の改定があり、市場動向が変化する可能性がある。私たちはアサヒビールの意思決定に口をはさめないが、本音を言えば、自分たちのビール類市場の状況が非常に見えづらくなると言うことに関して、少し残念なところがある。

競争は消費者の生活の質を上げるために必要で、各社は大いに競争すべき。それがないと、各社の商品はよくなっていかない。日本のビールの品質がいいのは、よいライバルがいるからとも言える。一方で、「1位になりました」と宣伝、強調することだけを目的としたシェア開示、争いは必要ない。

今後の課題は低価格ワインの販売

――サッポロは国内事業では、ワインを第2の柱にする方針です。

「ファインワイン」と定義する1500円以上のワインに関しては成果が出ている。フランス・シャンパーニュ地方の「テタンジェ」、スペインの「マルケス・デ・リスカル」、日本の「グランポレール」などのブランドの知名度が高まりつつある。

【2019年12月30日11時28分追記】初出時の「マルケス・デ・リスカル」に関する記述が誤っておりました。表記のように修正いたします。

今後の課題は、デイリーワインという(1本500円程度の)低価格なワインの販売。当社のワイン事業全体の売り上げは対前年で減っている。低価格帯商品の中では優位性をつくろうとしても結局、価格競争になる。ポリフェノール量を機能性として訴求しているが、(他社との)差異化にまで至らず、難しい。

――地球温暖化が進み、ビールやワインの材料となるホップやブドウの栽培適地が変化しています。環境対策をどう進めますか。

今までもやってきたことではあるが、より強力にグループとして続けていきたい。2019年の12月に、2050年までに何をしていくかという大きな方向性を決めた。その方針に沿って、本業であるビールやワイン造りを通じて「脱炭素社会」「循環型社会」「自然との共生の実現」を展開していく。

気候変動に強いビール大麦、ホップの開発にもすでに着手している。こういった活動を通じて社会貢献をしていきたい。気温変化などに強い品種はまだだが、強風に強いビール大麦は、すでに協働契約栽培を通じて収穫している。

農家の方々、ホップ農家の方々にも私たちと協働契約栽培をすることによるメリットを得てもらいたい。ビール大麦の生産、ホップの生産を少しでもサステイナブルなものにする取り組みは今までもやってきたことだが、そこを今後はより強く意識していく。

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