ランニングでケガしがちな人が知らない超基本

「インナーユニット」が体幹の安定を呼ぶ

体がブレていませんか?(写真:alvarez/iStock)
今年も箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走)は盛り上がりを見せている。選手たちは死力を尽くし、100mを18秒前後という驚異的なペースで20㎞以上の区間を走り切って、たすきをつなぐ。それを実現できるのは、心肺機能や筋力などにおける才能と尋常ならざる努力、そして精神力があってこそだが、彼らが取り組むトレーニングのなかでも、一般の市民ランナーのケガ予防や疲労の抑制に役立てられるものがあるという。
『世界一効く体幹トレーニング』の著者で、四半世紀にわたり運動指導を続け、現在は青山学院大学駅伝チームなどのフィジカルトレーナーを務める中野ジェームズ修一氏が解説する。

ランナーの体に重要な「耐震構造」

一般のランナーから「普段のランニングでは何も問題ないが、長時間走ったりフルマラソンの大会に出たりするとひざや股関節が痛む」という相談をよく受けます。こうおっしゃる人が走る姿を見ると、エリートランナーに比べ体のブレが大きいことが多いのです。

このブレは自分ではなかなか気づけないですが、走る姿を正面から長時間見られる駅伝やマラソンなどのテレビ中継などでは、よく見かけられるものです。一気にペースを上げた選手の頭が左右に動いてくるのは、比較的わかりやすい体のブレでしょう。

レースで彼らの体がブレ始めたとしても、体幹の構造が安定し速く走り続けることに耐えられる状態にあれば問題ありません。たとえフォームが崩れたとしても、終盤の5㎞以内だけ死力を尽くして走り切りたい、ということであればOKです。ただしブレたまま走る距離が15km、20km、30㎞と延びるにつれ、体にかかる負担はどんどん積み重なっていきます。

ちょっと現実的ではない例ですが、巨大な台車に一軒家を乗せた状態を想像してみてください。台車を引くと、動かす前提で建っていない一軒家はガタガタとゆれ、台車のスピードを上げると、さらに激しくゆれるでしょう。そのうち一軒家を支える構造のジョイント部分にあるビスが緩み、接合金属に負担がかかるようになります。これが長時間続くと、接合金属はひび割れを起こしてしまう。すると動かす前はどっしりと安定していた一軒家も、あちらこちらがガタついていき、果ては崩れてしまいます。

次ページ短距離と長距離で目指す耐震構造は異なる
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