新学期に向けて子どものケータイ問題は切実だ 「スマホだから危険」という間違った認識
「来年から小学校や中学校に通い始める子ども向けのケータイやスマホをどうしよう?」
「通学時間が長いから心配……」
「安全を守るためにできることは?」
4月の新学期を控えて、子どもを持つ親にとって気がかりなのがケータイ事情。スマホアプリのプライバシーやセキュリティの問題、あるいはSNSを通じたコミュニケーションのトラブル、犯罪に巻き込まれる事件も数多く報道されており、子どもにモバイル端末を持たせること、インターネットに触れさせることに二の足を踏んでいる人も少なくないだろう。
モバイル社会研究所が毎年発行している『ケータイ社会白書』2019年版の「第4章 子どものスマホ・ケータイ利用」では、小学2年生でスマートフォン所持率が29%、中学1年生になると65%に達する。
LINEでのコミュニケーションが活発化し始めるのは小学3年生から、学習に動画を使うと答えた人は小学1年生からいる。親は使いすぎや依存、コミュニケーショントラブルなどの心配をしていることが浮き彫りとなった。
親の情弱は子どもを危険にさらす
その一方で、子どもにケータイ・スマホを持たせる動機として最も大きいのが、緊急時に連絡が取れるようにしておきたいというニーズだ。居場所がわかるようにして、助けてあげられるようにしたいとき、やはりケータイやスマホは連絡手段として重要という認識が広がっている。
2011年の東日本大震災のように、非常に広いエリアが被災地となった災害時には、ケータイメールは大幅に遅延し、LINE、Twitterなどほかの手段が役立った。2019年は台風の大雨や暴風による被災、被害も広がり、首都圏の鉄道は計画運休となった。あるいは突発的な事故で交通機関に大幅な遅延が生じることも少なくない。規模の違いはあれ、日常どおりの移動や行動ができない事態はつねに隣り合わせだ。
もし毎日通学で鉄道を使うことになれば、交通状況に応じた安全な移動をリアルタイムに伝える手段が必要になる。ケータイやスマホを持たせているからといっても、適切な情報をアップデートし、安全な行動を促してあげなければ意味がない。
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