「iPhoneゴールド」は成金のシンボルか 中国のバブル成金は、"金ピカ"がお好き

✎ 1〜 ✎ 33 ✎ 34 ✎ 35 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

注目される内外価格差

海外旅行やインターネットでグローバル情報に詳しくなったミドルクラスは、中国国内では高級ブランド品を高く買わされることに強烈な不満を持っており、昨今内外価格差に特に敏感です。2月12日、「大連地産」からネットに流された情報では、シャネルの代表的商品である「2.55」チェーンバッグの価格は、中国4万1200元、アメリカ3万1384元、日本3万4666元、フランス2万5284元、イギリス2万6363元、イタリア2万5458元、ドイツ2万5749元、香港3万5197元(1元は約17円)だそうです。

この国際比較からわかることは、(1)中国で買うと最も高い、(2)日本も香港も高値、続いてアメリカ、(3)ヨーロッパは各国共通して安い。本国フランスで買うのが最も得だ、ということです。

「上に政策あれば下に対策あり」という金言を地でいく中国のミドルクラスは、最近は中国国内でブランド品を買うのを嫌って、自分で海外旅行に行った際にまとめ買いする、友人が海外に行くときに頼む、代理購買業者から並行輸入品を買うなどの対策を講じています。中国人買い物客を受け入れる欧米側もしたたかなもので、ロンドンのハロッズ、ニューヨークのティファニー、サックス・フィフス・アベニュー、バーニーズなどの高級店がこぞって中国人向けのプロモーション企画や中国語対応スタッフを準備、銀聯カードによる決済も浸透しつつあります。

2012年の統計ですが、中国人がイギリスで使ったおカネが3億ポンド(約488億円)、またアメリカへの中国人旅客の数は150万人ですから、中国人は各国でよいお客様になっています。

公務接待の管理強化

一方で、習近平政権は役人の収賄撲滅キャンペーンを推進中です。2012年12月には公務員に対して「ぜいたく禁止令」が出され、盛大な宴会や贈答品の授受が御法度となりました。一般市民に対しても、レストランで注文した料理は残さず食べ切るように、といった指示が出されました。

昨年12月8日、政府はさらに「党・政府機関国内公務接待管理規定」を定めて、公務による出張や官官接待を控えるよう厳しく指導しています。違反者の摘発も進み、2013年には18万2038人もの役人が収賄で処罰を受けました。

次ページ海外への移住者が900万人超?
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事