ランキングの対象となる条件は、2016年入社人数が10人以上で、平均年収800万円以上の企業。なおランキングでは、離職率の逆数である「新卒3年後の定着率」の順に並べ、その上位202社を紹介していく(同一の定着率の場合は、年収の順)。
結果を見ていこう。定着率100%の会社は22社。昨年度の32社から10社減となった。
三愛石油は、石油・LPガス卸大手の商社。事務機器大手のリコーと創業者が同じで、現在もリコー三愛グループの会員だ。FUJIは電子部品向けなどの自動装着装置のトップで、2018年4月に富士機械製造から社名変更した。福田組は新潟最大のゼネコンで、大型商業施設に強みを持つ。
2年連続定着率100%の企業は、東京建物、三菱地所、日本郵船、商船三井、NTT都市開発、福田組、タカラトミー、中小企業基盤整備機構の8社になっている。
業種別にみると3年後定着率100%のうち、業績の好調が続く不動産(東京建物、三井不動産、三菱地所、NTT都市開発)が4社と多く、化学(大陽日酸、サカタインクス、荒川化学工業)が3社で続く。
映画会社も大手の東宝と東映が100%の定着率で、それ以外では、朝日放送テレビ、神鋼商事、大同特殊鋼、石油資源開発、ビジネスエンジニアリングなどが離職者0人だった。
建設、化学、商社・卸売が定着率高い傾向
ランキング202社の業種で見ると、最多は建設の25社。化学が23社、商社・卸売が22社で続く。昨年もこの3業種がトップ3だった。
ランキングを見る際には、採用人数が少ない場合は注意してほしい。1216人が入社した104位の三菱電機は離職者が1人で0.1%に満たない変動幅だが、10人入社のタカラトミーや東京ドームは1人の離職で10%変動する。複数年の離職率の傾向を確認してほしい。
ここ数年の就職活動は、就活生にとって有利な売り手市場が続いており、2021年卒もこの傾向は変わらないとみられる。
企業は働き方や福利厚生などの制度を自社サイトなどで公開しており、内容も充実している。一方、情報量が多すぎるインターネットで自分自身の知らない会社を調べるのは時間もかかり、まだまだ手間がかかるといえよう。志望業種が固まったら、『就職四季報』で確認してから、インターネットで効率よく情報収集してほしい。
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