窮地でなぜかいつも「助けられる人」の共通点 人間関係で「得する人」「損する人」の差

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

考えてみてください。トラブルが起きたとき、リーダーがそこにいなければ、現場の人たちは誰に文句を言ったらいいかわかりません。不満を抱えたまま、それでも仕事を回していかざるをえない。

そして、やり場のない怒りがみんなの中に蓄積されていく。そんなストレスフルな状況の中でも、私はいつも、決して逃げずにその場にいました(ほかの選択肢を思いつかなかったというのが実際のところですが)。

「応援されない人」はどんな人か

だから、みんなが遠慮なく怒りまくれる対象でした。いつも怒られ、いつも謝って回っているリーダーだったのです。もちろん、怒られればこちらも傷つきます。正直なところ、「今日も怒られるのか、嫌だなあ」と毎日思っていました。

しかし、そのときは謝るのが仕事だと思っていましたから、「本当にすみません」「ご迷惑をおかけしています」と頭を下げ続けました。ぶざまな姿だったと思います。けれども、そんな姿を見せたからこそ、「伊藤をこのまま潰していいのか」と思ってもらえたのだと思います。

この話を聞いて、「伊藤さんには、人から応援される力がありますね」と言った人がいました。これが応援される力なのかどうか、そもそも私に「応援される力」があるのかどうか、自分ではよくわかりません。

しかし、「こういう人は応援されないだろうな」というタイプはなんとなくわかります。それは、相手が誰かによって、態度を変える人。あるいは、相手がどういう状況にあるかによって態度を変える人です。要するに、フラットでない人です。

私は誰に対してでもフラットに接したい、と思っています。これは、私がとくに大事にしている価値観です。今回のお話のように、かつての私はまったく仕事ができませんでした。仕事がうまくいかない時期もいくらでもありました。そういうダメなときには、やはり周囲からもボロクソに叩かれます。「お前は仕事ができない」とか「ダメなやつだ」とか。

ところが、ありがたいことに今はいろいろな仕事の機会に恵まれています。しばしば人に教えたり、人前で話したりもします。Yahoo!アカデミアの学長や、グロービスの客員教授を務めながら、本も出版しました。

次ページ助けられたもう1つの理由
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事