仕組みはこうだ。利用者は専用の車載デバイスかスマホアプリのどちらかを選んで契約する。
デバイスやアプリで記録された走行データや運転データはM2M(Machine to Machine)プロバイダーと呼ばれる専門の業者によって収集・分析され保険会社に送られる。
これらの解析情報をベースに同社は個々の契約者の保険料率を算出し、保険料を請求する。
このとき安全運転していると判断されれば、その程度に応じて保険料が割り引かれるというわけだ。
「SnapShot」で記録・収集される情報は、運転量、運転時間、時間帯、運転方法などのほか、GPSによる位置情報なども含まれる。デバイスを取り付けた自動車では、運転中に急ブレーキをかけた場合には警告音が鳴り、安全運転を促すようだ。
同社のHPでは、「SnapShot」の契約者は安全運転をすることにより平均で年間145ドルの保険料節約になったことを公表している。
安全運転で保険料が割引されるというメリット
プログレッシブが展開するような「テレマティクス保険」は他社も追随している。その背景には、アメリカ国内の自動車保険には日本のような無事故割引制度がなく、保険料の水準も全般に高いことがある。
個人情報の取り扱いという課題は抱えつつも、契約者にとっては安全運転をすることで保険料が割り引かれるというメリットは、加入への大きなインセンティブにつながる。保険会社にとっても、安全運転ドライバーが増え事故が減少すれば、それだけ保険金負担も減り、経営の安定性につながる。社会的なメリットも大きい。
2019年4月からはアメリカのTIMS社(トヨタ自動車とトヨタフィナンシャルサービス、あいおいニッセイ同和損害保険の3社の共同出資会社)とプログレッシブ社が協業を始めた。
トヨタ自動車のコネクテッド車両の運転挙動データをTIMS社からプログレッシブに提供し、テレマティクス保険に活用する取り組みも行っている。
日本国内でも2015年からソニー損害保険がPHYD型(運転行動連動型)の保険商品を販売開始しており、大手各社も展開している。通信機能がある専用のドラレコ(ドライブレコーダー)を設置したり、自身のスマホなどと連携する必要があるが、じわりと普及しそうだ。
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