フィットネス界のAppleと囃された新興企業の今

年末商戦のテレビCM炎上、黒字化の道筋は?

アメリカのフィットネス企業ペロトン・インタラクティブ(Peloton Interactive)が展開するバイク(写真:ペロトンのHPより)

アメリカで革新的なフィットネス事業を展開し注目されている会社がある。家庭用フィットネス機器の新興企業ペロトン・インタラクティブだ。2019年9月に新規上場(IPO)し話題となった。健康ビジネスが盛んなアメリカで、どのようなビジネスモデルで市場開拓しているのか。

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ペロトンの主力は、自転車型のトレーニングマシーンだ。

2014年に発売されたバイクはいかにも健康器具というやぼったさはない。手元にある赤いジョグダイヤルを回すことで体にかかる負荷を容易に変えることができる。自慢の自社オリジナルの設計だ。

このペロトンバイクは基本プランで2245ドル(約25万円)から展開されており高価な商品といえる。

さらに2018年からはウォーキングやランニングができるトレッドマシーンも発売された。価格は4295ドル(約47万円)からである。

サブスクサービスと一体化して稼ぐモデル

もう1つの収益柱が、アプリを使った動画配信サービスだ。プログラムは自転車・ランニング・ヨガ・アウトドア・筋トレの5種類でさまざまなレベルが設定されている。インストラクターが指導し、ときに鼓舞する。

同時に多くの人がプログラムに参加し、競うことができるのも醍醐味の1つだ。アプリの会員利用料は月額39ドル(約4200円)で、マシーンの販売との両輪で稼ぐ。つまりハードとソフトを融合して稼ぐビジネスモデルを構築している。

スマホを通じたアプリでフィットネス体験をさらに高めることもできる(写真:ペロトン)

顧客の企業に対する信頼や愛着などを数値化した値を指すNPS(Net Promoter Score)の指標は非常に高い。電気自動車メーカーのテスラに匹敵する値でアップルやアマゾンよりも高い値だという。

上場時点でペロトンのアカウントを持つ個人メンバーは140万人に達しており、「世界最大のインタラクティブフィットネスプラットフォーム」(同社IPO資料)を形成したとしている。

このように自社が販売する機器(ハード)やネットワークソフトウェア、月額課金のサブスクリプションプラットフォームを融合していることから、「フィットネス界のアップル」と神聖化する見方もあったのだ。

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