フィットネス界のAppleと囃された新興企業の今 年末商戦のテレビCM炎上、黒字化の道筋は?

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足元の業績は顧客獲得が優先し赤字が続く。2019年度(2018年7月~2019年6月)の業績は売上高9億1500億ドルで当期純損失が2億4500万ドルだった。既存顧客の利用料で稼いだお金を新規顧客開拓のためのプロモーション費用にあてるという図式が続き、2019年度実績では3億ドル以上の販促費を投下している。

1台20万円や40万円するような高価なマシーンを購入できる層は限定されるが、ペロトン社も手をこまねいているわけではない。現在の価格よりも安いトレッドマシーンなどの発売を示唆している。

年末商戦のCMが女性差別と炎上

上場後初の決算発表となった2020年度第1四半期の業績は、売上高2億2800万ドルと前年比で倍増(純損失4980万ドルと赤字は縮小)。会員数も160万人を突破し、会員の継続率の指標となる月間解約率も1%未満をキープした。

ペロトン社は、今期は昨年よりも力強いスタートを切っており、口コミによる会員の増加や成長のための国際的な投資を進めていると決算説明資料でも言及している。

次は、年末商戦の12月からダイエット意欲が高まる1月が勝負だ。ところが、このタイミングでテレビCMがインターネットで炎上し、12月2~13日の間に株価が約15%下落した。男性が女性パートナーにペロトンバイクをクリスマスにプレゼント。そのバイクを使った1年の思い出が男性宛てのビデオ日記に描かれているという内容だ。

一部の女性から、痩せなければいけないという女性差別だと批判された。このCMは12月13日現在で830万回以上再生されている。

クールな家庭用フィットネスマシーンと動画配信サービスで市場を開拓し、話題性もあるペロトン。流行の波が激しいフィットネス業界で会員の継続率を高め、黒字化の道筋を描けるかが大きなカギとなる。 

※ペロトンは『米国会社四季報2020春夏号』(2020年4月発売予定)に掲載予定です。

山谷 明良 東洋経済データ事業局

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やまや あきら / Akira Yamaya

2005年、東洋経済新報社入社。編集局で『会社四季報』『週刊東洋経済』の記者、データ事業局で『財務情報』『大株主』『日本の企業グループ』のデータ編集を経て、『米国会社四季報』編集長を務めた。

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