大学院卒でも年収180万円からスタート。超シビアな“ハリウッド給料事情”《ハリウッド・フィルムスクール研修記8》
スタジオの企画開発職の場合、アシスタントから上はCreative Executive、Directorというポジションに昇進していきます。職場環境としては快適な個室が与えられますが、年収自体は4~6万ドル程度。私が夏にインターンをしていたスタジオでは、このポジションは30代前半~半ばくらいの年齢層が占めていました。
日本でいう管理職にあたるのは、その上のVice President (VP)から。VPになるとある程度自分の裁量でプロジェクトを持てるようになり、給料も7万~12万ドルといわゆる「1000万円プレイヤー」の仲間入りです。ただし、このVPになれるのは本当に厳しい競争を勝ち抜いたほんの一握り。当然、年功序列は一切無しです。
その後は、Senior VP、Executive VPが続き、COOやCEOともなれば億単位の報酬になるのでしょう。上層部の給料が高いのは他の米国企業同様ですが、投資銀行やコンサルは入社直後から高給であるのに対し、映画業界で高給取りなのはほんのわずかにすぎないことがわかります。
生き馬の目を抜く熾烈な競争環境
ちなみに、トップに上り詰めたとしても甘くありません。今年の夏、公開映画が軒並み失敗して、6大メジャースタジオの中で最下位に甘んじたユニバーサル・ピクチャーズ。「Executive Shuffle」と言われる幹部の人事異動があると業界紙では専らのウワサでしたが、先日No.2とNo.3がクビになったことが報道されました。
昨年まで過去最高の利益を出し続けていたコンビで、夏商戦が始まる前の今年6月にはそれまでの実績を買われて4年契約を結んだにも関わらず、半年も経たずに解雇となってしまったわけです。
アカデミー賞を2度獲った脚本家、ウィリアム・ゴールドマンは著書『Adventures in the Screen Trade』の中でこう語っています。