いじめられても絶対に学校を休まない子の心境 小中高、泣きながら学校に行き続けた

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しかし、レッスンやお芝居で一時的につらさを忘れられても、明日にはまた学校へ行って、つらい思いをしなきゃいけない。

だから、ミュージカルで学校生活での苦しさがなくなる、ということはありませんでした。

そんなつらそうな私を見かねたのか、両親は「無理してまで学校へ行かなくていいよ」と言ってくれていました。

でも私は、「自分はダメな人間だから行かなきゃいけない」という考えで心が凝り固まっていて、両親の言葉は耳では聞こえていたけれど、心までは届きませんでした。

転機になった“自分リセット”

――「自分はダメだからこうしなきゃ」という考え方は、26歳になった今は変わってきましたか。

はい、少しずつ変わってきました。きっかけは「自分リセット」でした。ミュージカルを、2年前に一度、全部やめてみたんです。

当時、舞台に立つのはすごく楽しかったのですが、演技のレッスンがとてもつらくなってしまったんです。

「ミュージカル女優になってほしい」という両親の思いが強く、そのプレッシャーをずっと感じていたし、自分が本当にやりたいことはなんなのかわからないまま、女優を目指すのが自分に課された使命のように感じてしまって。

そうした状況がイヤになって、レッスンを全部やめて、一度、ミュージカルから離れることで自分を「リセット」してみたんです。

(写真:不登校新聞)

これまでの人生をふり返ってみると、私はずっと他人のためにがんばっていたんですね。

いじめられたくなかったから、怒られたくなかったから、どうしたらクラスメートに気にいられるか、どうしたら良い子にみられるか、ずっと考えていました。

でもある日、思ったんです。「他人のためにがんばったりしんどくなったり、そういうのはもうちがうよ、幸せに続く道じゃないよ」って。

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