パリの高級不動産がここへ来て急騰している謎

それでもロンドンやニューヨークより割安?

12月2日、英国の投資家、ロバート・ドレーク氏は、パリ中心部・エリゼ宮近くの高級マンション内の1戸を200万ユーロ(約2億4000万円)で購入した。写真はパリのエッフェル塔近くの集合住宅。10月撮影(2019年 ロイター/Charles Platiau)

[パリ 2日 ロイター] - 英国の投資家、ロバート・ドレーク氏は、パリ中心部・エリゼ宮近くの高級マンション内の1戸を200万ユーロ(約2億4000万円)で購入した。超低金利という環境や価格面の妙味に加え、英国の欧州連合(EU)離脱後に欧州大陸の不動産価値は高まるという確信が背中を押した。

2つのベッドルームが付いたこのマンションは、ドレーク氏にとって初の海外不動産投資。英国がEU離脱を決めたことでロンドンの国際的地位が大きな打撃を受け、それがパリの高級不動産価格の急騰につながっているという構図を物語る動きだ。

ベリー・ストリート・キャピタルのマネジングディレクターを務めるドレーク氏は、2016年の英国民投票でEU離脱派が勝利して以来、英国と欧州の関係は「根本的に変化した」と指摘。「ブレグジット(英のEU離脱)が実現してもしなくても、今後数十年で英国の金融セクターから欧州主要都市へと(人員が)移動する公算が大きいと思う」と話す。

ドレーク氏の見立てでは、国際業務を展開する銀行に勤務する人々が、パリの高級住宅を求める動きは一層強まる。半面、パリには厳しい都市計画の規制があるため、そうした物件の供給は引き続き限られる。

パリの不動産価格は、社会党のオランド大統領が政権を握っていた2012年から17年まで低迷が続いた。100万ユーロを超える収入に75%の上乗せ課税を実施して富裕層に敵対的だとの評価がフランス国外で強まり、高所得者がロンドンなどに逃げ出し、供給過剰が発生したからだ。

ただ、投資家に好意的なマクロン大統領が2017年に誕生すると、フランス国内の買い手が主導する形で市況が好転。ブレグジットを巡る交渉が混迷の度を深めるとともに、外国投資家はロンドンへの信頼を低下させ、パリに目を向けるようになった。

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