日本のスポーツで「ハーフ選手」が急増する理由

来年の東京五輪でも多くの選手が活躍する

過去にも、この大会に日本からハーフの選手が出場したケースはあった。例えば、2011年大会には、現在Jリーグで活躍し、日本代表(A代表)にも選出されている鈴木武蔵(父がジャマイカ出身)が出場している。ただし、このときは登録メンバー中、ハーフの選手は鈴木ただ1人。その他の大会を振り返っても、やはりハーフの選手はまれで、チームに1人いるかいないかという程度だった。

ところが、8年の歳月を経て、今では登録メンバーの2割近く、そしてレギュラーメンバーの3割近くが、ハーフの選手になっているのである。しかも、彼らに特徴的なのは、みな日本育ちであるということだ。

U-17日本代表でボランチを務めた藤田譲瑠チマ(父がナイジェリア出身)は、東京ヴェルディのユースチームに所属するMF。日本生まれ、日本育ちで、「東京から出たことはないです。英語もしゃべれません(苦笑)。父も家では日本語を、片言ですけど、しゃべっているので、英語に触れる機会は、周りのほかの子と同じくらいだと思います」という。

また、同じくGKを務めた鈴木彩艶(父がガーナ出身)は、「生まれたのはアメリカなのですが、生まれてすぐに日本に来たので、(アメリカの)記憶はまったくありません。育ちは日本。ずっと浦和です」とのこと。現在は地元クラブである、浦和レッズのユースチームに所属している。

彼らのメンタリティーは日本人

つまり、彼らは、決して特別な環境――幼少期までを海外で過ごしたとか、日本語よりも英語に慣れ親しんでいたとか――で育ったわけではない。多くの日本人がそうであるように、当たり前のように日本の文化のなかで育ってきたのだ。

当然、そのメンタリティーも日本人。サッカーにおける自分の武器は何かと尋ねても、藤田は困惑した様子で、「そういう(ハーフの)人って、足が速いとか、体がデカいとかあるんですけど、僕は別に身体能力も高くないので(苦笑)。自分のストロングポイントは声(を出すこと)かなと思っています」と、よくも悪くも日本人らしいというか、何とも控えめな発言に終始する。

大坂なおみや八村塁の存在を、自分と重ねて意識することはないか。そんなことを鈴木彩艶に尋ねてみても、「八村選手の髪型を意識しているんですけど(笑)」とおどけながら、「同じように活躍したいとは思いますが、自分と重ねることはあまりないです」と語る。

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