ニューエリートが自分の資産価値を隠す理由 「7つの階級」調査でわかった「後ろめたさ」
高所得エリートの参加率が高かった理由は4つ推測できる。そのうちの1つが、英国階級調査に回答することで、自分は本当に頂上に上り詰めたことを確認し、個人的な満足を得る機会にしようということだ。
そのため、自分は「けっこう上のはず」と思う人々が、その自己評価に社会学的な裏付けを得るために調査に奮って参加した可能性がある。これは、裕福で教育水準の高い人たちにサンプルが偏っていることを説明するものだろう。
捉えがたいエリートたちの姿
私たちが実施したインタビュー調査の対象者にも、英国階級調査への協力を依頼し、その結果分類された階級についての感想を求めた。エリートに分類された人々は一様に、居心地の悪さを感じている様子が見て取れた。
ヘンリー 「エリート」っていう言葉はとにかく嫌な感じがする。トップ中のトップで、ほかの人たちとは違う階級だって言ってるみたいに聞こえますから。
ベネディクト エリートってことは、それ以外のたくさんの人たちから切り離されているってことになるよね。
ジョージア 私は絶対、自分を上流階級だなんて思ってないわ。だって、そんなの、スノッブの一員になるってことだし、スノッブなんて最低だもの。
このような受け止め方は、英国階級調査に参加し、「エリート」に分類された人々のツイートにも見られた。エリートという結果に、多くの人が謙虚な態度で自分を卑下し、「エリート」ではないと主張した。同時に、中にはユーモアや皮肉を交えながら、喜びを表す人もいた。
新しいBBC階級算出装置によると、僕はエリートか。前からわかっていたことだけど、確かなデータで証明されると気分がいいね。さあ、ひざまずけ! 頭が高い!
偉大なる英国階級調査によると、うちの両親は「エリート」らしいよ。なのに、なんでおれはレンジローバーを持ってないんだ?
この「英国階級調査」に僕が携わらなかったことが腹立たしいね。僕だったら「エリート」の上にもう1つ階級を加えるけどね。
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