深刻な「気候危機」、日本は石炭投資見直しを アイルランド元大統領が呼びかける意識変革

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この気候正義という考え方は最近、よりわかりやすいものになってきた。現在、全世界で若者たちが「Fridays for Future」(未来のための金曜日)と称した街頭行動を起こしている。これは、未来の社会の担い手である若者たちが、気候変動問題に関して世代間の公平さが欠如していると認識している証拠だ。

私は現在、「The Elders」というグループの議長を務めている。これは南アフリカ元大統領のネルソン・マンデラ氏が創設した組織であり、世代間の対話を重視している。私たちは若い人たちの声に耳を傾け、彼らの考えが広く知れ渡ることができるように活動している。

身近なところから脱炭素化に取り組もう

──日本と海外では、気候変動がもたらす危機への認識に差があります。

来日に際して、(気候変動問題に日本の)若者がどのくらい関与しているか尋ねてみた。9月にニューヨークで気候行動サミットが開催された際、日本でも数千人規模のデモがあったという。欧米と比べるとその規模は小さいようだ。

メアリー・ロビンソン氏は世代間対話の必要性について語った(写真:自然エネルギー財団)

若い人たちにとって重要なことは、科学の視点に立って情報を入手し、現在が深刻な状況にあることをしっかりと認識することだ。大人たちは若い人たちの声に耳を傾ける必要がある。若者たちが声をあげれば、親である大人も耳を傾けるし、理解する。

気候危機は政府だけの問題でもなく、ビジネス界だけの問題でもない。私たちの生命や人生に関わってくる問題だ。それゆえ、すべての家庭や社会が政府とともに脱炭素化に取り組む必要がある。

その際、個々人が自分の行動をいかに変えていくかが重要だ。なるべくプラスチックを使わず、廃棄物を出さないようにする努力が必要だ、リサイクルを進め、自分が使っているエネルギーをいかにクリーンなものに変えていくか。肉を消費しすぎているのであれば、自身の食生活を見直していく必要もある。こうした問題にみんなが取り組むことが大切だ。

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