私事だが先月で43歳になった。41歳ぐらいまでは30代の余韻が残っていた気がするが、この年齢を迎えるとどっぷり40代である。
大学を卒業して社会人になって約20年。周囲も自分も「1周回った」感が強い。若い頃に抱いていた焦りや劣等感は少なくなり、「もっと自由に生きていいのかも。何でもやってみよう」なんて思ったりする。キャリアや給料ではなくやりがい重視で転職や独立をする人もいれば、子どもをほぼ育て終わり新しい恋を探し始める人もいる。そういう年頃なのだと思う。
自分のための今後を意識しはじめる40代
最近、筆者がよく出会うのが40代のシングルマザーだ。30代までは子どもを育て上げるために必死で生活してきた。その子どもが大きくなってくると、「親離れ子離れ」を意識し始める。今後、自分らしく豊かに生きるためにパートナーを欲しても不思議ではない。だから外に目が向いて活動的になり、筆者ともどこかで知り合うのだ。
新たに独立開業をした人の取材で知り合った西野千里さん(仮名、49歳)は、ひな人形のような顔立ちをしている和風美人。2人の息子と奈良県で暮らしていたが、3年前に7歳年上の恒夫さん(仮名)と再婚し、現在は大阪府内で恒夫さんの母親との3人暮らしをしている。20代の息子2人は、千里さんの名義で借りているマンションで兄弟仲良く生活しているという。
千里さんは短大を卒業して銀行で働いていた22歳のときに結婚し、32歳で離婚した。恒夫さんと出会ったのはさらにその10年後だ。千里さんと京都駅前のイタリアンレストランで会い、まずは最初の結婚生活について聞いた。
「2人ともすごく若くて未熟者同士だったのだと思います。お互いに相手に甘えることしか考えていませんでした」
愛おしむような口調で20代を振り返る千里さん。現在は恒夫さんというよき夫がいて余裕があるのかもしれないし、自分の息子たちが20代になったからかもしれない。
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