アメリカ西海岸を席巻する「激安スーパー」の凄み 2019年6月上場のグローサリー・アウトレット

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創業以来、一貫してニッチなマーケットを深耕する道を選び進んだ。背景にはアメリカならではの直接取引の商慣習がある。商品の供給者は過剰在庫を抱えることや、安売りするというブランドイメージが壊すリスクを軽減したい。そこでグローサリー・アウトレットが有名食品メーカーや日用品メーカーのサプライヤーから過剰在庫を割引価格で仕入れ、店頭で激安価格で販売する。

規模にものを言わせ仕入れを競う小売業界で、過剰在庫の需要を受け皿に成長した。同社の売上高はウォルマートの1%に満たない。衣料品小売業界にも同じモデルで成長を続けるTJXという会社がある。TJXは、アメリカ・カナダやヨーロッパで各種ブランドのディスカウント店を展開している。こうした会社は、比較的景気に左右されにくいという特徴もある。

お得な商品をサプライヤーから仕入れる強み 

グローサリー・アウトレットは差別化のポイントを「利便性の提供ではなく、お得な価格」と強調する。単に安売りして顧客を集めるわけではない。長い時間をかけて割安な価格のものを大量に安定して仕入れる関係性をサプライヤーと築いたからこそできる技だ。

アメリカには日本では有名ではないものの、投資家だけでなく日本人が勝ち残るヒントになる会社がたくさん存在する。Eコマースのアマゾンが世界のすべてを支配することはできない。一方で規模が劣る会社でも、長所を生かして伸ばすことができれば、必ず勝ち残る道がある。

山谷 明良 東洋経済データ事業局

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やまや あきら / Akira Yamaya

2005年、東洋経済新報社入社。編集局で『会社四季報』『週刊東洋経済』の記者、データ事業局で『財務情報』『大株主』『日本の企業グループ』のデータ編集を経て、『米国会社四季報』編集長を務めた。

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