米中協議に憶病になる人は師走相場で勝てない

「低格付け債券」は大きなリスクになるか?

米中貿易協議はどうなるのか。12月のマーケットに強気で臨んでも良いのだろうか(写真:Martin Holverda/iStock)

早いもので、いつの間にか師走になった。何故かせわしくなる季節だ。株式市場の12月といえば、実は外国人投資家の買い越し傾向が強く、NYダウも上昇する確率が高い月だが、今年は15日の米中貿易協議のヤマ場(追加関税「第4弾」の発動予定日)を控える。その成り行きは当然のことながら、アメリカ経済自身の拡大もすでに11年目となり気を抜けない月でもある。

「低格付け債」は深刻なリスクになるのか?

マーケットでは「低格付け債の元本割れリスクが世界経済のリスクとなる」という懸念も広がっている。世界のカネ余りは約1800兆円ものマイナス金利債を誕生させたと言われ、それに飽き足らず低格付けの社債まで買ったことは周知の事実だ。だが、今や米10年国債の利回りが1.4%台から一時1.9%を超えて、再び債券から株への資金の流れが起きた。そのことで低格付け債からも急速に資金が逃げ、元本を割るリスクが発生しているのは当然でもある。

低格付け債と言えば、あのサブプライムショックを連想して不安になる投資家も少なくないだろう。だが、両者が根本的に違うのは、今回は低格付け債を買った多くの投資家は「低格付け」だとわかって買っているということだ。

サブプライム問題が大きなショックとなったのは、簡単に言えば、アメリカで貸し付けられるローンのうち、優良客(プライム層)以外の層(サブプライム層)向けとして位置付けられるローン商品が証券化され、それが「絶対安全格付け」のAAA(トリプルA)証券の中に交じっていて、それが突然分かったからだ。言ってみれば、一流貴金属店で純金だと言われて買った金塊に、鉛が混じっていたようなものだから、一大事件となったわけだ。

ただ、必ずしも「サブプライム層=貧困層」ではない。どちらかといえば「サブプライム層=普通のサラリーマン」に近い。サブプライムローンの話題そのものは、すでにショックが起きる数年前にメディアでは取り上げられていた。筆者のところに取材に来ていた外国人記者が「自分の父親もサブプライム層だ」と余裕を持って笑っていたのを思い出す。

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