「外国人のホームステイ」で失敗する家庭の特徴

母は倒れ、祖母はイライラ…

日本人を招くのとは違って、言葉も違い、生活文化の異なる人を家庭に受け入れると、最初は少々手間がかかります。食事や入浴など一つひとつに説明が必要ですし、日本人が当然だと思っていても来日者には思ってもいなかった、という場合も多くあります。

関西の家庭に滞在していたアメリカの男子高校生は、日本食が好きで、態度もよく、日本の家族は彼に好印象をもっていました。ところがしばらくすると、彼が風呂場でずーっとシャワーを流しっぱなしにしていることが気になってきました。とくに祖母は「水がもったいない」と顔をしかめ、彼に対してだんだんと冷たい態度に。けれどもほかの家族は何と伝えたらいいのかわからず、結局伝えられないままホームステイは終了してしまいました。

生活習慣は「違って当たり前」と最初から考えて、遠慮せずに家族のルールや考え、気持ちを伝えましょう。伝えたいことを伝えないことによって、家族にストレスがたまるだけでなく、来日者が日本文化を知るチャンスも失ってしまいます。

あれだけ「おもてなし」したのに

意思の疎通をしっかりすることも重要です。インドネシアからの女子大学生を受け入れた家庭の話です。彼女はある朝、ホストファミリーに「今日は友達と夕食を食べるので、帰宅は遅くなります。夕飯もいりません」と英語で伝え学校に向かいました。ホストファミリーはすべてを理解できなかったものの、「OK、OK!」と送り出したのですが、夕飯の時間になっても帰ってこない彼女を心配しながら、結局22時過ぎまで帰りを待つことに。

言葉がわからないからといって、いい加減に受け答えをしてはいけません。確認したいことは紙に書いて伝えることも必要です。スケジュールなどはカレンダーに書いて貼り、お互いで確認するといいでしょう。

受け入れる外国人は、「お客さん」でありますが、過剰にもてなす必要はありません。アメリカ人の大人の女性を受け入れた東京都内の家族は、「せっかくだから日本の文化を紹介しよう。京都や日光に行って、歌舞伎の鑑賞も予約しよう。お茶席もどこかでやっていないだろうか」と、さまざまな計画を立てました。もちろん彼女はどのおもてなしも喜んでいましたが、家族で同行し費用もだいぶかかってしまいました。

存分におもてなしをしたと思っていたその家族は、最後に「何がいちばん楽しかった?」と彼女に尋ねてみると、「ご主人と早朝に町をウォーキングしたことと、奥さんと一緒に料理をしたこと」と答えたそうです。特別なおもてなしより、家族で過ごす日常の生活こそが彼女の心にいちばん残ったのでした。日常の生活体験こそが、ホームステイの醍醐味なのではないでしょうか。

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