あのマツダが「電気自動車」に乗り出す深い意味 ノルウェーで「MX-30」の試験車両に試乗した

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高速道路に入り今度はモーターペダルを最後まで踏み込むと、105kW(約143PS)/265Nmというモータースペックどおりの加速を披露した。こうしてグッと踏み込めば一般道路で感じた緩慢さは消え、相応の速さを実感できる。少なくとも20km/h→100km/hまでの加速力において不満はなかった。「定格出力は厳しい欧州基準に設定してありますし、最大出力に関しても余裕がかなりあります」(マツダ パワートレーン開発本部主査の大久晃氏)という。

試験車両「e-TPV」を試乗する様子(写真:マツダ)

一般道路、高速道路と走り込んでみて、大げさではなく筆者の愛車であるND型ロードスターで慣れ親しんだ加減速特性に極めて近いと感じた。BEV特有のドンとくる加速を抑えるために、これまで多くのBEVで無意識に行っていた繊細なアクセルペダル操作。これがe-TPVでは必要ないから疲れない。

さらに、モーターペダルの擬似的なサウンドには力強さを感じるだけでなく、加速や減速に対する車速コントロールが容易になることもわかった。こうした新しい取り組みは、この先に増えてくる他社の電動化車両との差別化にも大いになりうるマツダならではの操作感だ。

BEVが唯一の回答ではない

ご存じのとおり、世界中でCO2に対する規制は強まっている。欧州で2020年1月にスタートするCO2排出量目標95g/km、アメリカでのZEV規制の強化、中国におけるNEV規制がそれだ。さらに日本においても、2050年までに乗用車のCO2をはじめとした温室効果ガスの90%を削減する長期ビジョンなどが示されており、自動車業界がクリアしなければならない課題は数多い。

筆者と「MX-30」の試験車両「e-TPV」(写真:マツダ)

そうしたなかで、電動化車両のうちとりわけBEVは、世界各国での規制や課題に対する1つの解として期待されている。しかし、“すべからくこの先はBEVのみ”という解釈はやや早計だ。リチウムイオンバッテリーに使用するコバルトなどレアメタルの大量採掘、高効率な全固体電池の早期開発、自然エネルギーによる電力確保などの課題があるからだ。

解決にはこの先30年程度は必要であると言われている。よって現時点、BEVが環境負荷低減に向けた唯一の回答ではない。既存の内燃機関車両と共存を図っていくことが求められ、それには当然、電動化車両が含まれる。さらにこうした共存により、国と地域のエネルギー事情に応じた電動化がスムーズに行え、その先に“環境負荷低減”と“移動の質向上”の両立が望めるBEVの世界が見えてくる。

マツダでは2020年以降に、このBEVをベースにロータリーエンジン(新規開発で1ローター方式)を組み合わせた、レンジエクステンダーBEV/プラグインハイブリッド/シリーズ式ハイブリッドシステムの登場を計画しているという。

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