イチローが最後に語った「後悔しない」生き方 「自分の限界」を超え続けた28年間の野球人生

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 イチロー選手と言えば、練習・食事・習慣……あらゆる面での「ストイックさ」で知られています。1日のメニューを完璧に決め、それを毎日こなし、確実に成果につなげていく。地道でも難しいことを体現してきたその姿に、励まされたファンも多いことでしょう。

――イチロー選手の生き様で、ファンの方に伝わっていたら嬉しいと思うことはありますか

「生き様」……、ぼくには、よくわかりません。「生き方」というふうに考えるとしたら、「人より頑張る」なんてことはとてもできません。

自分の中にある「はかり」を使いながら、自分の限界を、ちょっとずつ超えていく、ということを繰り返していく。少しずつの積み重ねでしか、自分を超えていけない、と思っているんです。

一気に高みに行こうとすると、今の自分とギャップがありすぎて、地道に進むしかない。

「後退しかしない」時期もあるので、自分がやると決めたことを信じたことをやっていく。それは正解とは限らないですよね、それが間違っていることもあると思います。

でも、遠回りすることでしか、本当の自分に出会えないと思うので。ファンの方には、そんなところを見ていていただいたのかなと思っています。

「やってみたいなら、挑戦すればいい」

――子どもの頃からの夢をかなえて、今、何を得たと思いますか。

ぼくのしてきたことが、成功かどうかなんて、よくわからないですよね。

ここでは、あえて「成功」と表現しますが、成功すると思うからやってみたい、できないと思うからやらないという判断基準では、後悔を生みます。

やってみたいなら、挑戦すればいいんです。そうすればどんな結果が出ようと、後悔なんてない。

得たものといえば、「こんなものかな……」という感覚ですかね。

 マリナーズに移籍した2001年、イチロー選手は新人最多の242安打、首位打者、盗塁王、新人王、MVP……という伝説的な偉業を成し遂げました。しかし、外国人選手としての「孤独」を感じながらの苦節の日々だったとも吐露します。その時の体験は、今にどう生きているのでしょうか。

――マリナーズ時代、「孤独を感じながらプレーをしている」と話していました。その孤独感はずっと感じていましたか。

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メジャーリーグに来て、アメリカでは外国人という存在になったことで、人の心をおもんぱかったり、痛みがわかったり、今までになかった自分が現れたんです。

体験をしないと、自分の中から何も生まれません。

孤独を感じて苦しんだこと、多々ありました。だから、体験は、未来の自分にとって大きな支えになるんだよ、と今は思います。

つらいこと、しんどいことから「逃げ出したい」と思うことは当然ですけど、元気な時、エネルギーのある時にそれに向かっていくのは、大事なことだと思います。 

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