「鉄」以外も集まる西武車両基地の名物企画 来場者のお目当ては歴代特急車両だけでない

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武甲山と言えば石灰石の山として有名。かくいう西武秩父線も武甲山の石灰石を原料とするセメント輸送が建設のひとつの目的であった。横瀬車両基地に静態保存されている機関車たちもセメント輸送で活躍した面々だ。

冬の武甲山をバックに走る西武4000系電車(筆者撮影)

そして石灰石だけでなく、おいしい水を秩父盆地に供給し、銘酒の誕生にもつながった。

うまい酒と都心への鉄道、その両方をもたらした武甲山。天然記念物の高山植物も群生しているらしいし、なかなかスゴい山だったのである。

地元が主役の鉄道イベント

ほかにも地ビールやどぶろくなど、気になる店はいくつもあった。何よりも素晴らしいことに横瀬からは電車に乗って帰ることができる。

いくら酒を飲んでも、飲酒運転の心配はナシ。そうした事情もあるからか、車両基地酒場では秋晴れのもとでたくさんの人たちが気持ちよさそうに酒の飲み比べを楽しんでいた。

もちろん特急列車そろい踏みや鉄道遺産とも言える往年の車両の展示は魅力的だ。だが、この横瀬車両基地でのイベントは秩父という地域の顔が前面に出ている。

多少地元の特産品ブースがあるような車両基地イベントがあっても、こちらはむしろ地域が主役。地域あっての鉄道で、50周年を迎えた西武秩父線が観光路線であるとともに地域から愛されている生活路線でもあることが伝わってくるイベントであった。

12月初旬には秩父エリア最大のイベント「秩父夜祭」が開催される。秩父の酒や名物のローカルフードが一堂に会する車両基地酒場は、夜祭に向けて沿線を盛り上げる絶好の機会となったのではないだろうか。

鼠入 昌史 ライター

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そいり まさし / Masashi Soiri

週刊誌・月刊誌などを中心に野球、歴史、鉄道などのジャンルで活躍中。共著に『特急・急行 トレインマーク図鑑』(双葉社)。

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