バスに大苦戦、特急「ふじさん」は生き残れるか 強敵の「高速バス」が本数や料金で圧倒する

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

一方、「ふじさん」の強力なライバルとして立ちはだかるのがバスである。新宿駅―御殿場駅間の平日1日当たり本数は「ふじさん」が上下6本に対して、「高速バス」は上下65本と圧倒的な差がある(2019年11月1日現在)。

バスは御殿場駅のほか、同アウトレットへも乗り入れている。新宿駅のほか、池袋駅、東京駅、品川駅、横浜駅、立川駅、たまプラーザ駅、三島駅など近県・静岡県内の24拠点との間で同アウトレットとの間の直行便が設けられている。

実際、高速バスの利用は堅調に推移している。小田急箱根高速バス(新宿―東名御殿場―仙石原・桃源台)の「全利用人員」(上り・下りの合計値)(以下、同じ)で見ると、2001年度43万8356人、2011年度64万2140人、そして2014年度72万0435人と増え続けた。

新宿―御殿場間において、「あさぎりの線内利用人員」対「小田急箱根高速バスの全利用人員」の分担割合は、2001年度は「あさぎり」と「高速バス」の割合はほぼ拮抗していたが、2016年度には1:4に差が広がっている。

バスは運行本数や料金で優位

バスは運行本数と運行拠点数のみならず、料金面でも、その優位性が際立つ。たとえば、新宿駅―御殿場プレミアム・アウトレット間では、高速バスの運賃は片道1800円・往復3300円、所要時間は行きが1時間35分、帰りが池尻大橋経由で1時間45分である。

一方「ふじさん」は運賃・特急料金合計片道2860円(通常期)、所要時間は御殿場駅での無料シャトルバス乗り継ぎで約1時間50分(乗換時間含まず)である。

次ページ鉄道の競争力回復の方策
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事