ダメなリーダーほど「事なかれ主義」に陥る理由 幼稚な「集注欲求」に囚われていませんか?
だからこそ、彼らが誰かに指示を出すときには、決して権威的に、一方的に命令を下すことはありません。必ず、情理を尽くして説明し、相手を説得しようとします。
「今はこういう状況で、君にしかこれを頼める人はいない。だから他ならぬ君にお願いするんだ!」と。
映画を見ていると、そうやって情理を尽くして説得する姿勢こそが、当たり前の姿勢に見えます。でも、多くのリーダーは、相手よりも上の立場に立った途端に、この誠実さを忘れてしまうのです。
実際、「上司の命令」というのは一方的であることが多く、また、部下も表面的にはいうことを聞いていても、「これこそが、自分のやるべき仕事だ」というレベルまで、その仕事へのコミットメントが高まっていないことが多いのではないでしょうか。これでは、仕事がうまくいくはずがありません。
部下が納得してコミットメントできるようになるまで、しっかりと説得するのがリーダーの仕事だとすれば、そのために必要なことは何か? それは、説得するためのデータを集めるためでも、相手の反論を封じるような弁論術を磨くことでもありません。「(まずは)リーダー自身が、自分で自分を説得する」ということなんです。
リーダーは自分が納得した具体的なコミットがマスト
他人を説得するためにいちばん必要なこと。それは、「自分自身を説得する」ということです。
例えば、「●月●日までにこの計画を完成させなければならない」という課題があったとします。このとき、なぜ「●月●日」という期日があるのか、間に合わなければ何が起きるのか、そもそもこの課題は、なぜ達成しなければいけないのか。達成できると、どんなプラスの展開があるのか……。
こうしたさまざまな要素について、リーダー自身が納得いくまで考え、受け入れることができているか。「なぜ、この仕事が必要なのか」ということについて、自分自身が納得できるまで、理解を深めているか。