ダメなリーダーほど「事なかれ主義」に陥る理由 幼稚な「集注欲求」に囚われていませんか?
臨床に携わる一方、TVやラジオ番組でのコメンテーターや映画評論、漫画分析など、さまざまな分野で活躍する精神科医・名越康文氏による連載「一生折れないビジネスメンタルのつくり方」。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボにより一部をお届けする。
「事なかれ主義」のリーダーに共通すること
「組織のリーダーに向いているのはどんな人か」ということは、昔からよく、議論されてきたテーマです。例えば「決断力こそが、リーダーに求められる資質なのだ」という人もいれば、「部下にきちんと目配りできる人でなければリーダーの資格はない」という人もいます。
日本においてよく問題になるのは、リーダーの地位に立つ人の「事なかれ主義」でしょう。失敗を恐れ、前例のない新しいテーマに積極的に取り組もうとしない。重要な決断ができず、チャンスを逃してしまう……。日本にはそういうリーダーが多く、そのことが日本の成長をとどめてしまっている大きな要因になっている。そんな批判をよく耳にします。
実際の日本のリーダーがそういうメンタリティーを持っているかどうかはともかく、心理学的に見ると、こうした「事なかれ主義」なリーダーに共通する背景は、実は幼稚な「集注欲求」への囚われだったりします。
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