男女・年齢で大きく変わる「夫婦関係」の満足度 「結婚」はスタート時こそが最も重要!?
離婚についても長期的に見てみよう。1990年代に入り離婚件数は増加し、2002年には約29万件とピークを迎える。そこから件数は減少に転じているが、そのあたりから離婚への考え方、社会での捉えられ方も変わり、「無理して結婚生活を続ける必要がない」といった考え方が広がっていった。
背景には夫婦における役割分担の変化がある。1986年に男女雇用機会均等法が施行され、男女の働く環境が制度上も平等になった。女性の社会進出が進み、これに連動して「専業主婦家庭」から「共働き家庭」へ主流が変わっていった。こうした「互いの自立性の確立」が結婚観、家庭観にも影響し、それまでの「ユニットとしての夫婦」から大きく姿を変え、1対1の関係であり、物理的にも精神的にもパーソナルな関係の夫婦像が広がる。
互いが自立していると、依存関係よりも離れやすくもなり、離婚数の推移にも影響しているだろう。実際に、リクルートブライダル総研の調査でも既婚者の4割以上が離婚を考えた経験があると答えており、夫婦関係の変化がみてとれる。
結婚のスタート時の過ごし方
では、「離婚した夫婦」と「離婚していない夫婦」にはどんな特徴があるのだろうか。一般的に、離婚について多くは結婚生活中の不一致が大きく影響すると考えられている。「価値観のズレ」や「金銭感覚のズレ」、女性では「家事・育児への協力度合い」など、結婚生活が進む中で見えてくることが原因となることが多い。
しかし、それだけではない。「結婚のスタート時」の過ごし方が大きな分岐点になるようだ。具体的には、結婚生活がスタートするタイミングでの「価値観のすり合わせ」「金銭感覚のすり合わせ」さらには「相互の家族が親しくなる機会」「相互の友人を知る機会」の有無が離婚するかしないかに関係している。