丸太小屋で育った「Slack」創業者が貫く信念 CEOが語る経営、ものづくり、生い立ち(後編)
社内ツールがビッグビジネスに
――スラックはもともと、起業したゲーム開発のスタートアップで社内ツールとして使っていたと。それが事業になると感じた背景には何があったのでしょうか。
ゲーム開発をしていた当時は、社員が45人ほどになっていた。アーティストやアニメーター、イラストレーター、ソフトウェアエンジニア、ビジネス担当もいた。さまざまな職種の間でコラボレーションをするには、(コミュニケーションの)明確さや団結が必要だった。当時はそんな言葉も考えていなかったが。
僕たちは1990年代からある「IRC(インターネット・リレー・チャット)」というシステムからヒントを得て、自分たちで開発していた機能と組み合わせてチャットツールを作った。スラックの「チャンネル」の概念は、IRCからきている。とはいえ、何年も経つまでそれがユニークな働き方になっているということに気づかなかった。
インパクトの大きさに気づき、これはもっと多くの会社に当てはめられるんじゃないかと思った。それが商用化しようと思ったきっかけだ。ゲーム開発のほうは、とても熱心なファンはいたが、多くの人には難解なものだったので、残念ながらあまり注目を浴びなかった。
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