単価にこだわる会社の売り上げが伸びない理由 原因は品質じゃない、「3大要素」で考えよう

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ある程度の訪問数を確保できるようになったら、次は転換率の改善に着手しましょう。転換率は、着手する順番としては2番目ですが、重要度でいえば3大要素のうち断トツの1位です。費用対効果もいいので、転換率は貪欲に高めていきましょう。

「品質」で勝負するのではなく「イメージ」で勝負する

客単価は、3大要素のなかでは比較的さまつな問題といえます。そもそもモノの値段には相場があるので、大間違いのしようがない。

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例えばコーヒーならせいぜい1杯100~2000円の範囲で提供するものであって、いきなり10円とか1万円とかいう極端な値段をつけようという発想は、よほどの勝算がない限り生まれにくいでしょう。ですから客単価について考えるのは、訪問数と転換率の問題を解決してからでも大丈夫です。

なお、3大要素以外の要因として「商品そのものの品質に問題があるのでは?」と考える人が多いようですが、これは失敗に陥りやすいパターンです。

モノやサービスは実際に買って使ってみるまでは、本当の善しあしはわかりません。ネットでもリアルでも、消費者は実際の品質ではなく「イメージ」で買うかどうかを決めています。

そして、その「イメージ」が正しく伝わっているかどうかは、訪問数や転換率を分析することで明らかになります。明らかになりさえすれば、あとはノウハウに従ってその「原因」を改善するだけ。売り上げを上げることは、驚くほど簡単にできることなのです。

大原 昌人 ダニエルズアーク代表取締役、元「楽天市場」プロデューサー

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おおはら まさと / Masato Ohara

慶應義塾大学環境情報学部卒業。楽天株式会社に入社。少数精鋭のクリエイティブ部門に配属。楽天の心臓部「購買データ」を自由に分析する権限を得る。楽天市場全体のビジュアルを統括するWebプロデューサー・ディレクターとして、フリマアプリ「ラクマ」や、年間100億円規模の流通を生み出す「6時間タイムセール」など、数々のヒット企画に参画する。2017年からは、国内最大級の流通額を誇る「楽天スーパーSALE」の総合プロデューサーに最年少で就任。2018年、株式会社ダニエルズアークを設立し、代表に就任。「誰でも夢が見られるチャレンジの場を作る」ことを掲げ、全国各地に活躍の場を広げている。

 

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