単価にこだわる会社の売り上げが伸びない理由 原因は品質じゃない、「3大要素」で考えよう
3人のお客のうち1人が3000円、1人が5000円、1人が7000円使ったとすると、客単価は、
となります。ですから、例えばある日の訪問数が100人、そのうち実際に商品を購入した人が5人(転換率5%)、客単価が3000円だとすると、その日の売り上げは、
ということがわかります。「わざわざそんな公式を持ち出さなくても、その日に売れた金額を合計すれば売り上げなんてすぐにわかるじゃないか」と思われる方もいるかもしれません。確かに、それはそのとおりなのですが、この公式を使う目的は、売り上げがいくらになったかを計算することではありません。その店の「強み」と「弱み」をハッキリとさせるための公式なのです。
やや極端な例を挙げて説明すると……。
訪問数100人×転換率5%(0.05)×客単価3000円=売り上げ1万5000円
<B店>
訪問数2人×転換率50%(0.5)×客単価1万5000円=売り上げ1万5000円
売り上げを分析すれば「問題点」と「対策」がわかる
どうでしょうか。A店とB店の売り上げはどちらも1万5000円ですが、その内訳はまるで異なります。A店がよくも悪くも平均的であるのに対して、B店ではごく少数のお客が高確率で高価な商品を買っています。また、A店では翌日も同じくらいの売り上げを見込めそうですが、偏った商売をしているB店の売り上げは予測しにくく、ゼロになっても倍増してもおかしくありません。
このように、売り上げをドンブリ勘定で把握するのではなく「訪問数」「転換率」「客単価」の“3大要素”に分解して考えてみると、その店が抱える問題点や、今なすべき対策が見えてきます。訪問数が少ないなら訪問数を増やすための、転換率が悪いなら転換率を高めるための、客単価が低いなら客単価を上げるための施策が売り上げを確実に、かつ劇的に上げるためには必要というわけです。
公式に当てはめて分析すれば自明のことなのに、実際にこのことを理解して経営に役立てている店(会社)は決して多くありません。たいていの「売れていない店」は、そもそもの訪問数が少ないのに客単価を上げようと四苦八苦するなど、まるで見当違いの努力をしているのです。会社の商品を売って営業成績を上げる場合も同じです。
ネットで売るにしてもリアルで売るにしても、公式に当てはめて考えることで、必ず成功への対策が見えてくるのです。
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