ペイペイモール「最後発だから勝てる」皮算用 ヤフーのEC戦略「最前線」をキーマンが明かす

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ペイペイモールは在庫管理や採寸、撮影などの機能を自前化するのか(撮影:尾形 文繁)

――ファッションの見せ方の点でいうと、ゾゾは自前の物流拠点で採寸、撮影などを行っています。ペイペイモールはストアに任せる形でしょうか。

基本は出店者に任せていて、レギュレーションに関してはこちらから、白抜きの画像で、とか、コーディネートも載せて、とかをお願いしている。ペイペイモールに出ているのは厳選されたストアで、ブランドをよりよく、正しくイメージが伝わるように表現することには理解があり、臨機応変に対応してくれている。

(在庫管理や採寸、撮影といった機能は)ゆくゆくは自分たちで持つことも考えられるかもしれない。ただ、今回提携したゾゾがその部分を得意としているので、具体的な話は進んでいないが、一緒に活用させてもらう方向も模索できると思っている。

メディアとコマースをつなぐ独自策

――アマゾンや楽天では巨大な物流拠点を自分たちで運営しており、出店者の荷物を預かり配送するサービスまで踏み込んでいます。ヤマト運輸など大手配送業者の値上げで出店者の負担は増えていると思いますが、ヤフーとしてもここを支援する必要は感じていますか?

現状はレギュレーションで配送のスピード感、返品の対応期間などを決めている。自前の物流拠点に関しては、いろいろな選択肢を比較検討しているところだ。僕らとして、今日明日に何かをするわけではないが、物流に関して出店者、利用者の双方から多くのニーズをいただいているのも事実だ。それも踏まえ、グループ全体で何をすべきか議論している。

配送料が高止まりする中、とくに中小規模の出店者へのサポートの必要性を非常に強く感じている。ソフトバンクグループでは物流関連のサービスも持っているので、それをさらに活用することもできるだろう。あとはラストワンマイル(消費者への配送)を手がけている他社との提携含め、出店者や消費者にとってスムーズな物流をどう生み出すか考えたい。出店者にお任せ、というだけでなく、自分たちでもやるべきことを探っている。

――決済サービスのペイペイでは、「生活に必要なあらゆる機能がそろうスーパーアプリになる」という構想を掲げています。EC事業もこれに密接に関わることになると思いますが、グループ内の他の事業ともシナジーを出せるでしょうか。

ヤフー全体の戦略として「メディア to コマース」「コマース to メディア」を、昨年あたりから掲げており、実際に動き始めている面もある。例えばニュースを見ている人に対し、コマースにも興味がありそうであればうまくそちらに誘導したり。まだまだこういうことをできる余地はあると思う。検索も含めメディアからのコマースへ、ニーズをしっかり受け止めながら購買につなげる。これはヤフーだからこそできる施策だ。

もう1つはビッグデータの活用だ。コマースだけでなく、検索とかメディアからわかる興味関心を参考にして、ショッピング側でのレコメンドの精度を高められる。もちろん法令を遵守した形で、かつ利用者の許可を得た形での取り組みになるが、より高い確率で買い物してもらえる工夫を行っていけると思う。

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