2度目の"社長公募" ユーシンの焦り 田邊会長兼社長「前回は失敗だった」

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

入社直後は6人全員が社長候補。まずは仕事を覚えてもらい、会社の中の表面化していない課題を見つけてもらい、どのように解決するかを見てから序列をつける。その中で一番頭のいい人を社長にして1億円の報酬を、2番目に頭のいい人が副社長で5000万円の報酬を、というような形で振り分けていく。早ければ4カ月、遅くとも半年以内に見極める。

僕はもう80歳。手遅れになる前にどうしても次の社長を選びたい。前回のような失敗はしない。いい人が来てくれていると思っている。

ライバルを買収したい

――前2013年11月期営業利益は、前期比3割減の17億円。3期連続の減益と苦しい状況にある。

一番の課題は、ヴァレオから買収した事業をどう生かすか。国内でも買収を考えていく必要がある。今後同じ分野で生き残れる会社は、グローバルに見て3社程度だろう。日本には、うち以外にホンダロック、アルファ、東海理化があるが、M&Aを積極的に考えていく。相手が聞いたら怒るかもしれないが(笑)。

今、ユーシンのキーセットの世界シェアは30%。ホンダロックやアルファを買うとすると、シェアは50%近くになる。高いシェアを取れば、今後、赤字になる可能性は低くなるだろう。

――次期社長に期待することは。

2つある。1つはユーシンとヴァレオの相乗効果を早く出すこと。設計などで二重になっている部分は省けるし、生産も効率のいい方に合わせる。その結果、余剰人員が出れば、ほかの有益な方面に振り向ける。これは将来、大きな利益の源泉となる。

もう1つは、キーセットと販売や生産の面でシナジーを出せるまったく新しい商品を開発していくこと。いまはまだ、具体的なアイデアがあるわけではない。これを一から形にしていって、売り上げの成長につなげていかなければならない。

――次期社長が決定した後の身の振り方は?

まず社長の役職を退いて会長になる。それから少ししたら、顧問になる予定だ。

長瀧 菜摘 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ながたき なつみ / Natsumi Nagataki

​1989年生まれ。兵庫県神戸市出身。中央大学総合政策学部卒。2011年の入社以来、記者として化粧品・トイレタリー、自動車・建設機械などの業界を担当。2014年から東洋経済オンライン編集部、2016年に記者部門に戻り、以降IT・ネット業界を4年半担当。アマゾン、楽天、LINE、メルカリなど国内外大手のほか、スタートアップを幅広く取材。2021年から編集部門にて週刊東洋経済の特集企画などを担当。「すごいベンチャー100」の特集には記者・編集者として6年ほど参画。2023年10月から再び東洋経済オンライン編集部。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事