ラグビーW杯「ビール決戦」、勝者は誰なのか 9月のビール消費量は軒並み前年超えを達成

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キリンはイングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドのラグビー代表チームの公式パートナーである「ギネス」の国内販売権も持っている。ギネスの9月の販売数量は前年同月比5割増と好調だった。ハイネケン、ギネスともに、ラグビーワールドカップを通して、日本での認知度が急速に広まった。

さらに、「一番搾り」の9月の販売数量は前年同月比116%だった。これらの結果、キリンの9月のビール全体の販売数量が前年同月比124%と大きく伸びた。

9月は消費増税前の駆け込み需要もあり、アサヒが同111%、サントリーは同116%、サッポロも同117%と、ビールメーカー各社ともに伸ばしたが、「ラグビー効果」のあったキリンには及ばなかった。

【2019年11月5日15時47分追記】サントリーに関する数値が誤っておりました。表記のように修正いたします。

英国風パブ「HUB」は1年前から準備をしてきた

1月~9月までの累計で見ても、キリンはビール全体の販売数量が前年同期比103%。アサヒが同98%、サッポロが同98%、サントリーが同104%という中で、前年超えはキリンとサントリーだった。

【2019年11月5日20時38分追記】初出時の記事でサントリーの数字が誤っていました。上記のように修正いたします。

株式市場の「ラグビー銘柄」も明暗が分かれた。販売好調を受け、キリンの株価は9月20日の2250円から、11月1日には2305円へ上昇している。一方、同じくラグビー銘柄とされていた英国風パブチェーン「HUB」を展開するハブの株価は、9月20日の1360円から11月1日の1055円に下げている。

HUBは、サッカーをはじめ、野球、バスケットボール、ラグビーなどの試合を店内のテレビで観戦しながら飲める場所として親しまれている。今回のラグビーワールドカップも絶好の商機と捉え、1年前からプロジェクトチームを発足させ、ラグビーの普及活動や訪日客取り込みに力を注いできた。

次ページ想定ほど訪日客増えず、誤算続き
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