私の人生は「ワンマン」…鉄道缶バッジ誕生裏話

年間5000個販売「上司警戒」など思わずニヤリ

現在は同社の鉄道グッズのすべてを担当している。新金谷駅に併設された売店は鉄道マニア向けの品揃えで、他の社員から「梶山城」と呼ばれているという。

「梶山城」こと新金谷駅売店。缶バッジを前面に押し立てている(筆者撮影)

「新金谷駅前のプラザロコも担当していますが、お菓子とか雑貨とか、完全にお土産屋さんです。鉄道グッズも一般受けするものを置いています。新金谷売店のほうは、缶バッジ、鉄道むすめ、鉄道部品と、マニア受けしそうなものを置いています。1万2000円の運賃表示器もあって、それ、売店で売るのかと思うんですけど(笑)、イベントで叩き売りするよりはちゃんとした値段をつけてあそこにおいて、その値段で買ってくださる方を待ちたい。そういう売り方があっていいかなと」

大井川鉄道の前職は、大手鉄道会社の小売り部門だったという。もともとモノを売るという仕事が好きだ。いまは、自分が企画した商品が売れる。充実している。仲間からは「梶山城を飛び出して、梶山商事を作れば成功するぞ」とも。

「個人的な目標は、自分が企画したお土産で年間1億の売り上げです。でも僕の目的は大井川鉄道を続けるためです。大井川鉄道のお客様を増やしたい。お土産はその手段であって、目的ではないんです。『ワンマン』を出してTwitterがバズったときも、缶バッジが売れるより、大井川鉄道が広まるほうが大事だと思いましたから」

お土産が人を呼ぶツールに

大井川鉄道でSLの動態保存を手がけた当時、副社長だった白井昭氏はスイスの観光鉄道にヒントを得て、SLだけではダメだ。飲食とお土産も一緒にやらないと鉄道は持ちこたえられないと語っていたという。

SLを運行し、きっぷが売れて、でも乗っただけでお客様が帰ってしまったら寂しい。お土産を売りたい。お客様も記念に持ち帰りたい。その伝統を梶山さんも受け継いでいる。ちょっと違うところはTwitterなどの発信力だ。お土産はお客様の思い出になるだけではなく、新たなお客様を呼ぶツールになっている。

月並みだけど、梶山さんにとってお土産ってなんですか。

「永遠になくならないビジネスです。100年後も大井川鉄道があって、缶バッジが売れたらいいな、と思っています」

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