私の人生は「ワンマン」…鉄道缶バッジ誕生裏話

年間5000個販売「上司警戒」など思わずニヤリ

新作も続々登場している缶バッジ。大井川鉄道へ行く楽しみの1つになっている(筆者撮影)

大井川鐵道(以下、大井川鉄道)といえばSLの保存運転で有名だ。近年は「きかんしゃトーマス号」で子どもたちにも大人気。その大井川鉄道でもっとも売れているグッズのひとつが「缶バッジ」だ。

缶バッジといえば、キャラクターが印刷されたり、商品の景品や販促粗品として無料配布されたり、というおなじみのものである。販促品としてもらったところで、机の引き出しの奥に眠ってしまいがち。

それがなぜ売れるか。大井川鉄道新金谷駅の売店でひと目見れば納得だ。こんなラインナップである。

 ワンマン 
緑地に白い文字、バスや列車の「ワンマン運転」を示すマークのパロディ。よく見ると「私の人生は」とある。恋人募集か、独身貴族か。悲哀を感じる。
 警戒 - 上司 
本来は大雨や強風、濃霧などを運転士に知らせる標識。サボっている人を見つけたら上司の目線に要注意
 急行 - EXPRESS - 寝坊しました 
急行標識までは実際にありそう。でもひと言余計だ。そりゃ急ぐよね……。

入社3年目の若手社員が企画

思わず笑って手に取ってしまう。300円と聞けば「1つくらい買ってみようか」となる。お土産に渡すとウケるだろう。持っていれば飲み会で話題にできそうだ。相手に「これ、おもしろいね」と共感してもらうアイテムとして、300円は手頃な値段といえる。

販売開始2日目でバズった「ワンマン」バッジ(筆者撮影)

2018年の秋に東京・日比谷公園の鉄道フェスティバルに出店したときは500個を完売。行列は30mを超えたという。

最初に作った「ワンマン」がTwitterで話題となり、鉄道の標識に絡めた他のバッジも鉄道ファンにウケた。2019年4月の時点で年間5000個を販売した。1個300円だから150万円以上だ。地方私鉄のグッズとしては大きな数字だ。素材自体は販促物として配れるほど低コストだから、利益率はかなり高い。

このユニークな缶バッジの発案者は梶山優太さん。中途入社3年目、駅員、車掌と現場経験を積み、商事部に転じてすぐにヒット商品を作った。

次ページ夜にふと思いついた「ワンマン」
鉄道最前線の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 日本野球の今そこにある危機
  • 実践!伝わる英語トレーニング
  • コロナ後を生き抜く
  • 就職四季報プラスワン
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
ANAが希望退職実施へ<br>雇用維持貫くJALとの差

ANAホールディングス傘下の全日本空輸は10月7日、退職金の割り増しによる希望退職の募集を労働組合に打診。一方の日本航空(JAL)は同日に開かれた定例会見で、人員削減の考えはないと明言。両社で対応が分かれた要因とは。

東洋経済education×ICT