シャープの大型液晶工場が稼働、巨大な供給力をどう埋めるのか

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シャープの大型液晶工場が稼働、巨大な供給力をどう埋めるのか

創業以来最大のプロジェクト--。10月1日、シャープの液晶パネル堺工場がついに始動した。その規模は従来の亀山工場の約4倍、127万平方メートルに及ぶ広大な敷地に同工場のほか、液晶部品企業の工場が集積する。進出企業も含めた総投資額は約1兆円に上る。

主に製造するのは40~60型台の大型液晶テレビ用パネル。これを中国、東欧などのシャープの組立工場、さらに社外のテレビメーカー向けにも販売する。当面は月間3万6000枚分の生産能力だが、1年後をメドに能力を2倍に増強、最終的に7万2000枚にまで引き上げる。

外販先2社確保だが…

堺工場では世界初の「第10世代」と呼ばれる畳5枚分の超大型ガラス基板を生産する。液晶事業に詳しい中田行彦・立命館アジア太平洋大学教授は「ガラス基板サイズは最重要の競争要因」と話す。大型化で、同じ1枚のガラス基板から多くの液晶パネルが取り出せ、生産性が高まる。そのため液晶各社の大型化競争は激化の一途。だがI山幹雄社長は「競合企業がこのサイズに追従しても、当分はコスト優位性を保てる」と強調する。

予定する増強分も含め、シャープの堺工場への投資額は4200億円に上り、投資回収リスクは小さくない。フル稼働時には40型テレビ換算で年間約1500万台分もの供給能力となるが、シャープが世界で販売した40インチ以上のテレビは100万台程度(2008年度)と推測される。11月に「LEDアクオス」を発売するなど大型製品を強化するが、「自社のテレビ向けのみでは充足できず、安定的な供給先確保が焦点」(電機アナリスト)となっている。

シャープが目標に掲げる外販比率は5割以上、つまり40インチ換算ベースで年約800万台。供給先としてすでに東芝とソニーが決まっている。

07年末、東芝はシャープと液晶事業で提携。10年度をメドにシャープからの液晶パネル購入比率を現状の12%から4割程度にまで引き上げる計画だ。だが同社の液晶テレビ年間販売数は600万~700万台程度で、仮に4割に引き上げてもシャープにとってはまだ十分とはいえない。

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